研究課題/領域番号 |
21244053
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
永長 直人 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (60164406)
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研究分担者 |
MISHCHENKO Andrey 独立行政法人理化学研究所, 交差相関理論研究チーム, 基幹研究所研究員 (50525889)
小椎八重 航 独立行政法人理化学研究所, 交差相関理論研究チーム, 基幹研究所研究員 (20273253)
江澤 雅彦 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教 (10504805)
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キーワード | トポロジカル絶縁体 / 量子スピンホール効果 / エッジモード / マヨラナフェルミオン / モット絶縁体 / 光励起 / 量子ダイナミックス |
研究概要 |
研究テーマa)トポロジーと電子相関効果の協奏現象、(b)電子・スピン結合系の実時間量子ダイナミックス、それぞれにつき以下の研究成果が上がった。 a)2次元遷移金属酸化物における量子スピンホール状態につき、電子間の相互作用をスレーブローター法で取り扱い、バンド絶縁体とモット絶縁体の区別を含む相図を明らかにした。また、2次元蜂の巣格子以外の系としてBiTelを取り上げ、トポロジカル絶縁体ではないが、巨大なRashba効果を示す系であることがわかった。トポロジカル絶縁体表面の金属における電子多体問題の研究としては、(i)磁性体を接合したときの磁気抵抗効果(GMR)と磁化のダイナミックスの研究を行い、スピン軌道相互作用がともに本質的に効いて、通常のGMRや磁化ダイナミックスにはない数々の特徴(たとえば反平行磁化配置でコンダクタンスが極大になるなど)を見出した。(ii)超伝導との接合を作ったときに現れるマヨラナフェルミオンの物性について、アンドレープ反射、ジョセフソン効果、近藤効果、などの現象に則して調べた。その結果、"実"フェルミオンとしてのマヨラナフェルミオンに特有な干渉効果が現れることを突き止めた。また、フェルミオン間の相互作用の効果をボゾン化法で取り扱い、繰りこみ群を使ってトンネル現象が特異な温度依存性を持つことを見出した。 b)光励起による電子・スピン結合系-2重交換模型-のシミュレーションを行い、光励起に後の緩和のダイナミックスを調べた。その結果、ナノスケールの自己組織化現象が量子力学的遷移に伴って生じることを見出した。さらに進んで、光励起による強磁性金属・反強磁性絶縁体転移のシミュレーションに成功した。
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