研究概要 |
本研究で目的とする物質研究のため,本年度はその土台となる装置システムの構築に全力を挙げて取り組んだ.(1)X線回折用超電導マグネットシステムの発注,製作,納入(2)3Heガス循環型クライオスタットの製作,(3)ダイヤモンド移相子を用いた入射X線偏光制御システム(連携研究者:稲見グループ担当),の3点とも,ほぼ95%の仕上がり状況である.あと5%の仕上げと試運転を行い,いよいよ来年度から本格的な実験に取りかかることが可能である.予定通りの進行状況であると言ってよい.松村グループでは,他の予算と合わせて,ほぼ半年間,3Heクライオスタットの試作機の製作と冷却テスト,本体の製作,ガスハンドリングシステムの製作に全力で取り組んだ.試作機では最低温度0.4Kを達成することができ,本番では大いに期待がもてる.また,計画調書にも記したとおり,本研究は大学院生の貴重な教育の場にもなっている.半年間の集中的な装置製作では,旋盤フライス加工から銀ロウ付け,電気回路に至るまで,普通では経験することのできない,貴重な経験の場となった.
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