研究課題
熱帯対流圏界層(TTL)内脱水過程を解明し、熱帯成層圏水蒸気の長期トレンドを現場観測により評価するために、鏡面冷却式水蒸気ゾンデとECCオゾンゾンデを主力測器とした高精度観測を実施し、TTL内で観測された水蒸気量と水平移流に伴う大気の温度履歴との対応を、同一大気塊の複数回観測(match観測)により明らかにすることがこの課題の目的である。本年度の研究成果は、複数の査読付き論文として発表したが、このような解析は使用する客観解析場に依存するため、結果の信頼性を向上させるとともに、サブグリッドスケール過程の評価や高時間分解能計算による気象場記述の高精度化を図るために、ゾンデデータを全球化学輸送モデル(CTM)と結合された大気大循環モデル(GCM)に同化し、その結果得られた気象場を対象とした解析を行う準備を進めてきた。残念ながら、人手不足により作業の進展が遅れ、現時点ではこれに関する成果の論文発表には至っていない。一方、米国主体で計画されていた航空機による西部太平洋TTL観測が2014年1-2月と決定し、現場観測の実績のある我が国に対して検証観測を通した共同研究の積極的推進が国際的に要請されている。そこで、本研究課題の発展を志向しつつ、10月にハワイでTTLに関する日米セミナーを共催した。ここでは、学生・PDに発表機会を多く与えるとともに、日米の学生/PD同志が観測計画に関して討論し、その成果を発表する機会を設けることにより、日本の若手に大きな刺激を与えることができた。今後は、4次元同化場を用いた脱水過程の研究を推進するために、地球シミュレータによるデータ同化研究を行っているグループの協力を得て移流中の大気塊の脱水量評価にアンサンブル計算を適用し、未完に留まっているスプレッド情報の活用の研究に取り組みたい。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2013 2012 その他
すべて 雑誌論文 (15件) (うち査読あり 11件) 学会発表 (17件) 備考 (1件)
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