研究課題
本研究では、宇宙プラズマ粒子の基本加速機構の研究とジオスペース環境科学の両面で必須となるプラズマ粒子・波動計測手法の研究開発を行い、今後の国内外の直接探査衛星計画に適用されるプラズマ粒子センサーと波動一粒子相互作用解析装置の具体的な製作・試験を遂行する。この基盤となるのが、昨今、我々が主導函役割を果たすことで着実に革新されつつある最先端の計測技術と構築中の較正地上実験装置の整備・改良である。平成21年度は、本研究代表者が立教大学で独自構築したプラズマ粒子センサー較正用装置イオンビームラインを東京大学に移転し、再構築を行った。これにより、東京大学においてもイオン・電子ビームラインの稼働を実現した。また、ジオスペース探査衛星(ERG)計画にむけて、特に本年度は中間エネルギー電子センサー静電分析器等の詳細設計・製作を行った。加えて、電子検出素子APDの計測性能試験を、電子ビームラインを利用して実施し、APDの温度特性試験、高エネルギー陽子照射試験などを行い、衛星搭載デザインの性能を地上実証した。宇宙プラズマ波動一粒子相互作用解析装置(WPIA)では、プラズマ波動・粒子観測データを10マイクロ秒の精度で処理する必要があり、観測データへの正確な時刻付けや相関処理のために、データ配信回路を新規に設計した。特に、WPIAにおける波動データと粒子データの同時オンポード処理系を実現するための「衛星機上データ処理ボード」を試作し、同ボード上で動作するソフトウェアの開発を実施した。WPIAでは異なる観測系である波動観測器と粒子観測器のデータを同時に処理する必要があり、また、その観測時間も10マイクロ秒程度の精度で保証する必要がある。WPIA処理と各観測装置との時刻保証ができる通信方法を含め、マネージ可能となるソフトウェアの実現を目指し、同時に周辺インターフェース性能の評価を行った。
すべて 2010 2009
すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 5件) 学会発表 (14件)
Earth Planets Space
巻: 61 ページ: 765-778
J.Geophys.Res.
巻: 114 ページ: doi:10.1029/2009JA014206
Ann.Geophys.
巻: 27 ページ: 1669-1677
Nuclear Inst.and Methods in Physics Research, A
巻: A603 ページ: 355-360
Advances in Space Research
巻: 43 ページ: 792-801