研究課題
高橋は大学院生と共同して、地球初期進化に果たしたH20など揮発成分の役割を研究するため、これまで未解明であったFe-H系の相平衡と融点の圧力依存性をSpring-8放射光でのX線その場観察実験により世界で始めて明らかにした(Sakamakiほか2009)。この結果、地球外核に十分な水素が含まれた場合、外核条件での溶融金属Feの融点が水素の影響で最大1500℃低下する可能性があることが明らかなった。また、マントルに水が含まれた場合にはマントル対流を支配する実効粘性率が低下するため、岩石の流動特性が水を含まない場合に比べ大きく変化した可能性がある。西原らは、深さ300km付近の上部マントルで発見されるがその正体が未解明であった地震波X不連続面の起源が斜方輝石の相転移に伴う速度増加で説明しうる可能性があることを高温高圧実験に基づいて示した(Akashiほか2009)。この結果は上部マントルの化学組成不均質がこれまでの予想をはるかに超えて大きいことを示唆する。すくなくともその一部は地球形成過程のマグマオーシャンの結晶分化による影響が残存しているものかもしれない。
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http://www.geo.titech.ac.jp/lab/takahashi/takahashilab.html