研究概要 |
イメージング・ラマン分光装置を試作し,その実用化に向けての基礎的研究を行った.同装置の主な仕様は,以下の様である:音響光学的可変フィルター(AOTF : Brimrose Co. ; CVA200-0.53-0.65-H;波長領域,530-650nm;空間分解能,1280×960ピクセル,冷却CCDカメラ(Andor Co. ; DU9347-BV;ピクセル・サイズ,13μm^2;ピクセル数,1024×1024),偏光顕微鏡(Olympus Co. ; BX-51),ステッピングモーター駆動XYZ stage(Ludlco. ; Mac6000)および半導体励起固体レーザー(Laser Quantum Co. ; Ventus HP532;波長,532nm;最大出力,15W). 試験的に,ダイヤモンド・ウェファーとざくろ石中に包有される石英粒の2次元画像の撮影を行った.その結果,画像は得られたものの,薄片を試料とした場合,それを製作する際に用いた(1)樹脂からの蛍光が予想以上に強く,SN値が極めて小さくなることおよび,(2)励起光の強度が試料面上で均一でないなどの問題点が明らかとなった. このうち,問題点の(1)に関しては,薄片試料を作成するために必要な接着強度を有し,実際に使用されている製品9種類について蛍光強度を測定し,ほぼ使用目的にあった樹脂を選択することができ,解決できる見通しが立った.また,(2)の影響は,蛍光板上で蛍光強度を測定し,それから励起光の相対強度比を求め,この値を用いて画像プロクラム処理することによって軽減化することを目指している.
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