研究課題/領域番号 |
21245002
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
森田 明弘 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (70252418)
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キーワード | 分子動力学シミュレーション / 和周波発生 / 振動分光 / 硫酸エアロゾル / 電気二重層 / 界面誘電率 |
研究概要 |
硫酸エアロゾル界面の構造解析 大気化学で広く重要な硫酸エアロゾル上の不均質反応への解明に向けて、硫酸水溶液の表面構造を解明した。硫酸の2段階の酸解離平衡は系の熱力学的条件に敏感に依存し、界面の局所的な環境における硫酸の解離平衡が不明であった。そこで産総研の宮前らの和周波測定と我々の分子シミュレーションの緊密な協力により、硫酸エアロゾル表面での酸解離平衡と界面構造を同時に明らかにする成果を得た。硫酸エアロゾルの表面付近での解離平衡はバルク中とは異なり、とくに表面の電気二重層内では、第2段の解離が強く抑制されていることを実証した。 界面の局所電場の理論と計算 一般に界面の光学的測定の解析を行うとき、界面の誘電率という現象論的なパラメータが用いられるが、界面数分子層の領域でのマクロな誘電的性質は物理的意味が明らかでない。本研究では、分子動力学シミュレーションによって界面領域の局所電場と非線形分極を同時に求めることによって、実験の解析に用いるべき"界面誘電率"を分子レベルで定義して評価する理論手法を与えた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
界面分光の理論開発において、さまざまな実在の界面系への応用と基礎理論の深化の両面で十分な成果を得ている。硫酸界面のようなチャレンジングな研究対象を明快に解明したことは特筆する成果である。
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今後の研究の推進方策 |
今後も水溶液系や有機分子などを含めた多くの系への応用をすすめ、界面分光の汎用的な解析手法の確立を目指す。基礎理論および分子モデリング手法についてのこれまでの研究の蓄積を生かして、十分に推進可能であると考えられる。
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