研究課題
光による不斉合成は本研究者らが先導する新しい研究分野の一つであるが、本研究では複合キラル超分子を用いる光不斉創成について研究を行い、今年度は次に述べる新規かつ重要な成果を得た。(1) 最強の生体系超分子アビジン・ビオチン錯体を凌駕するホスト・ゲスト系として、キューカービチュリルとビシクロ[2.2.2]オクタンあるいはアダマンタン系ゲストを新たに見いだした。(2) 血清アルブミンだけでなく分子シャペロンタンパク質であるプレフォルディンを用いた新規生体超分子光化学反応系を開拓した。これは、変異株を用いる系に発展させる上で重要である。(3) 修飾シクロデキストリンを用いたアントラセンカルボン酸の不斉光二量化反応において、生成物の光学収率を制御する因子を解明し、今後の飛躍的な光学収率向上への重要な指針を得た。(4) キラルイオン性液体を用いる初めての超分子不斉光化学反応を行い、40%の光学収率を達成した。今後、水素結合性テンプレートとしての活用が期待できる。(5) FRETを用いる新規な超分子不斉光化学反応を提案し、それが有効に機能することを立証した。(6) 従来の単一のキラルホストではなく、2種類のキラル超分子を用いる超分子光化学反応系を考案し、今後、他の鎖状や環状のキラル足場の利用への基盤となる重要な成果を得た。(7) 超分子光化学に関する最新の成果を集めた成書「Supramolecular Photochemistry」(マイアミ大学V.Ramamurthy教授と共編・共著)が米国のWiley社から本年中に出版予定である。なお、本研究代表者は、この分野に関する貢献を認められ、本年6月にドイツのAlexander von Humboldt財団からフンボルト賞(Humboldt Research Award)を受賞することが内定している。
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