研究課題
金属酸化物として均一に混合した原料をアンモニア窒化するゲル化窒化法などの合成法によって、従来の固相混合物からの合成では不可能であった新しい化学組成の金属酸窒化物や窒化物の合成や形態制御が可能になる。本年度は下記の2項目を明らかにした。(1)Nb-Al系のゲル化窒化生成物(Nb_<0.60>Al_<0.08>□_<0.32>)(N_<0.79>O_<0.21>)はTc=7K、さらにそれをアンモニア気流中1200℃で焼成するとTc=17.3Kの超伝導体であった。これを受けて今年度には、Alの代わりにMgおよびSiがNbとともに共存する酸窒化物を得た。アンモニア気流中1200℃での焼成物は、それぞれ(Nb_<0.95>Mg_<0.05>)(N_<0.92>O_<0.08>)および(Nb_<0.87>Si_<0.09>□_<0.04>)(N_<0.87>O_<0.13>)と表わされる岩塩型結晶構造を持ち、Tc=17.6Kおよび16.2Kの新超伝導体であった。Si系の生成物について中性子線回折法で結晶構造を精密化すると、Si位置の変位パラメータが大きく、正規位置の6配位から4配位位置に向けてやや変位していると考えられた。この結晶構造の乱れが、超伝導転移温度の低下につながった可能性がある。(2)層状化合物KTiNbO_5を酸処理して得たHTiNbO_5にプロピルアミンをインタカレーションしたのちアンモニア窒化すると、TiO_2-Nb_2O_5混合粉を原料とした場合よりも容易に(Nb_<0.5>Ti_<0.5>)Nが生成した。その結晶構造は2次元的には岩塩型に類似しているものの、原料酸化物が層状構造をもったことに由来して積層欠陥を多く含むと考えられた。1000℃以上でアンモニア窒化すると、Tc=15Kのバルク超伝導体であった。
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