研究課題
歪みGeデバイス開発として、ソースドレイン(SD)コンタクトの極浅化かつ低抵抗化を目指し、不純物のデルタドーピングによるSD形成技術を開発した。不純物の表面偏析現象を系統的に調べることで、基板面方位、結晶成長温度に強く依存した偏析現象を解明し、数nmという非常に急峻なSb不純物原子のドーピングに成功した。これにより、通常オーミック接触を得るのが非常に困難であるn型Geへの、非常に良好なオーミック接触を得ることに成功し、極浅SD実現へ大きな前進となった。また、チャネル構造の開発として、より量産化に適したガスソースMBEによる低温成長を実現し、結晶性の高い歪みGeチャネル形成に成功し、よりデバイス特性に近いドリフト移動度として、Siデバイスをはるかに超え、半導体の正孔移動度としては最高値となる、3120cm^2/Vsという超高移動度を得た。また並行して、更なる移動度向上を可能とする、一軸歪みデバイス実現へ向けて、「選択的イオン注入法」を開発した。基板面内で選択的にイオン注入による欠陥を導入することで、歪み緩和を局所的に生じさせ、その結果非対称な一軸性歪みを誘起する手法である。今年度は、注入領域の幅を系統的に変化させることで、一軸性を高め、より高移動度化を図る指針を得た。さらに、表面構造を詳細に評価することにより、異方的な転位の発生が歪み状態の起源であることを明らかにし、熱的に安定かつ均一な一軸性歪みを導入できていることが示された。光デバイス開発として、Geドットフォトニック結晶EL素子を開発し、共振EL発光を得た。PL発光特性との比較から、ELデバイス化による発光幅のブロード化が顕著に見られ、プロセスの改良が望まれるものの、各モードに対応した良好なEL発光スペクトルが得られていることは画期的であり、今後のGeドット発光素子実現が大いに期待できる。
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