研究課題
DERI法を基盤とした高品質結晶成長技術により作製した各種InN結晶を用いて、InN系窒化物半導体を用いたデバイス実現への基盤技術開発、基礎物性評価を進めた。(1) InN系デバイス実現の重要課題であるp型ドーピングに関して、DERI法の効果を調べるため、2種類の方法でMgドーピングを行った。(1)N^*のみを照射するDEP時にMgドーピングを行った試料では、Thermopowerによって正のSeebeck係数が得られp型伝導が確認されたが、(2)Inを照射するMRGP時にMgドーピングを行った試料ではp型伝導を示さなかった。これらの原因をTEM、EDX、SIMSなどを用いて調べた結果、(2)の方法で成長した領域においてはMg濃度に揺らぎが確認され、DERI法のDEPとMRGPにおけるMg取込過程の解明に重要な知見が得られた。(2) ゲート構造を持つ電子デバイス実現に向けて、N極性InN及びIn極性InNに対してMIS構造を作製し評価を行った。オーミック電極およびゲート電極にはそれぞれTi/Al/Ti/Au、Ni/Auを堆積し、絶縁膜にはSiO_2を用いた。I-V特性を評価した結果、順方向電流はN極性InNを用いた構造ではIn極性InNを用いた構造に比べて小さく、N極性InNの方がより大きなSiO_2の障壁効果が得られた。(3) デバイスプロセス基盤技術開発として、InNデバイス構造へのKOHウェットエッチングを検討した。GaNテンプレート上にDERI法で成長したIn極性InNに対して、KOH水溶液:10mol/l、溶液温度:70±2℃によるエッチングを行った。選択的にInNのみがエッチングされ、マスクを用いた異方性エッチングも可能であることを確認した。これらの結果から、InN系デバイスの素子分離などのプロセスにKOHウェットエッチングが有用であることを示した。
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