研究課題
DERI法を基盤とした高品質結晶成長技術により作製した結晶を用いて、InN系窒化物半導体を用いたデバイス実現への基礎物性評価、基盤技術開発を進めた。1.DERI法InGaN成長中のRHEED強度その場観察から、InGaNの組成や成長温度の影響を検討した。成長中のRHEED強度変化をモニターすることで、InGaN組成判別が可能であることを明らかにした。この技術は、成長表面での実効的なV/III比からInGaN組成を得るためより正確な組成制御が可能である。また、DERI法InGaN結晶成長においてInGaN成長時における原子脱離過程の観察までも可能であることを示した。2.DERI法によるInGaN成長を応用しInGaN結晶の厚膜化について、本年度は組成の制御性、均一性について検討を行った。繰り返し回数50回で作製した1.1umのIn組成20%InGaNのXRD、SIMS測定の結果から、相分離がなく膜厚方向でも非常に均一な組成が実現されていることがわかった。また組成の制御もIn組成20%から70%まで可能であることを示した。3.デバイス応用技術として、DERI法を活用して、組成の異なるInGaN層から成るInxGa1-xN/InyGa1-yN多接合成長を検討した。メタルリッチ条件下でのInGaN成長において、In0.2Ga0.7N成長を行った後、続くDEPでのGaとN*の供給において、N*供給量を増加させた。これによって、InGaNに取り込まれるIn量が増加し、In組成を増加させたInGaN成長が可能となり、このプロセスを繰り返すことにより、In0.2Ga0.7N/In0.3Ga0.7Nの多接合構造を作製できることを示した。またこの構造をPLで評価した結果、525 nmの緑色領域で強い発光が得られ、光学的特性からも高品質な多接合構造を得られていることがわかった。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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