研究課題
本研究の目的は、現在使用されている磁気センサ、ホール素子より高感度が期待される、磁歪と圧電効果の相乗効果(ME効果)を利用した磁気センサの開発と微細加工によるプロットタイプの磁気センサの試作である。24年度の主な実施計画は、1)23年度の研究成果を基に、磁歪薄帯(50μm)/ PZT (160μm)/ 磁歪薄帯(50μm)三層構造のME磁気センサを試作し、ブロードバンドの低周波で変化する微小磁場を検知できるプロットタイプにME磁気センサを試作する。さらに、2)微細加工による磁気センサの試作を探求することである。1)については、アモルファスFeSiB(50μm)/PZT(C-3)/FeSiBを用いたME磁気センサは、共振周波数74kHzにおける最大ME出力電圧は約1.8V/Oeを発現し、これまで用いたFe-Pd/PZT/Fe-PdME磁気センサの2.6倍のME出力電圧を示した。このME磁気センサに、試作したチャージアンプを用い、ブロードバンド低周波で変化する微小磁場を検知した。その結果、0.001Hz~100Hz広域帯におけるAC磁場=0.1Oeに対して、同一出力で磁場を検知可能なことが判明した。さらに、0.1Hz~100Hz帯で、0.001OeのA微小磁場を検知可能であることが実証できた。2)については、厚さ10μmのSOIデバイス層のSi上に、酸化膜を介してFe-Pd (4μm)を積層したカンチレバー構造のマイクロ磁気センサを試作し、その特性評価を行った。その結果、1000~2000μmのカンチレバーでは、30Oe以下の低磁場域で、0.15~0.6μm/Oeの傾きで変位した。1000μmのカンチレバーは、共振周波数9991.3Hzで、約1000の高いQ値が得られた。共振周波数は、印加磁場の強さに比例して、高周波側に変化し、共振型の磁気センサに利用できることが判明した。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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