研究課題/領域番号 |
21246029
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
村上 輝夫 九州大学, 大学院・工学研究院, 教授 (90091347)
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研究分担者 |
澤江 義則 九州大学, 大学院・工学研究院, 准教授 (10284530)
中嶋 和弘 九州大学, 大学院・工学研究院, 助教 (70315109)
坂井 伸朗 九州大学, 大学院・工学研究院, 助教 (60346814)
澤田 廉士 九州大学, 大学院・工学研究院, 教授 (40380589)
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キーワード | 生体関節 / 多モード自律潤滑 / 極低摩擦 / 極低摩耗 / バイオトライボロジー / 生物・生体工学 / トライボロジー |
研究概要 |
生体関節は、定常歩行運動時にはマイクロレベルを含む弾性流体潤滑により低摩擦・低摩耗が維持し、摩擦増大や表面損傷の発生をもたらす局所的接触が発生しうる場合には、巧みな多種のモードの潤滑機構を有することにより極低摩擦・極低摩耗を実現しており、その潤滑機構は、多モード適応潤滑機構と称されているが、詳細については未解明な点も多い。そこで、本研究では、軟骨表面の複雑な構造の実態を各種の手法で明確化するとともに、極性分子の吸着挙動と水和潤滑効果の相互関係と協調的潤滑機能への寄与を探求した。成果の概要を略述する。 【1】水和潤滑に対する生体関節軟骨摩擦面吸着膜形成の影響の解明:除荷・再負荷摩擦試験により水和の回復効果と吸着膜の相互作用や、関節液成分間の相互作用を明確化できた。【2】生体関節軟骨と軟骨細胞の変形・摩擦挙動の実測と数値解析:固液二相体としての関節軟骨の可視化圧縮試験と有限要素解析により、モデル化を可能とするとともに、深さ依存の変形挙動などの重要な挙動を把握できた。【3】軟骨細胞・滑膜細胞への摩擦刺激・力覚応答試験:圧縮刺激に対する軟骨細胞の応答を明確化した。滑膜組織の可視化観察を行うとともに滑膜細胞の単離法を調査した。【4】軟骨模擬材料および軟骨のマイクロトライボ試験:ポリビニルアルコールハイドロゲル模擬軟骨と関節軟骨の比較試験により構造特性の相違の影響を明らかにした。【5】マイクロ血流センサによる軟骨部流動現象の非侵襲計測:標準材料や軟骨におけるシグナルの計測を行い、計測手法の基盤を構築した。 これらの各研究事項の成果について統合的に評価を行うことにより、生体の巧みな多モード潤滑機構の未解明部分の複数事象を明らかにできた。21年度の成果を活かしながら、次年度の研究展開を推進する予定である。
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