研究概要 |
本年度は当初計画通り,以下の2項目を中心に研究を実施した 1.濡れの制御技術の開発 いくつかの手法により濡れ性の制御技術を開発しているが,加熱・冷却サイクルによる濡れ性の変化を測定し,重要な知見を得た.SUSの試験片を高温まで加熱して,常温まで戻すと接触角がゼロになる超親水状態が得られる.これを大気中に放置すると20時間ほどで元の接触角まで回復する.試験片を500℃以上に加熱した場合にこの現象が起きること,接触角回復過程でラマン分光によるピークが徐々にシフトし,それと接触角が対応することが明らかになった 2.液滴蒸発に及ぼす濡れ性の影響評価 8つのノズルを有する液滴噴射系を構築し,600℃まで加熱したSUS試験片の冷却試験を行った.この噴射装置では,液滴直径,液滴速度,射出頻度を独立に変化させることが可能であり,これまで2次的な因子として,傾向が不明であった液滴径,液滴衝突速度の影響が明らかになった.同じ噴霧流量の場合は,液滴直径が小さい方が伝熱特性が優れている.また,単一液滴が加熱麺に衝突する際の伝熱量を求めることができた.さらに,資料の表面粗さを変えて実験を行ったところ,粗い面の方が伝熱特性が優れていることが明らかになった.また高速度カメラによる衝突時の観察から,表面粗さが大きい面では,液滴の最大広がり直径が小さくなること,衝突時の接触時間も長くなることだどの知見も得られた
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