研究分担者 |
森 周司 九州大学, システム情報科学研究院, 教授 (10239600)
原 進 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 講師 (40329850)
岡本 正吾 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 助教 (10579064)
長谷 和徳 首都大学東京, 大学院・理工学研究科, 准教授 (10357775)
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研究概要 |
研究の想定状況として,「生産現場において,ロボットの鋭利なエンドエフェクタ先端が,ロボットの正面に座っている作業者の眼を襲う」という内容を設定した.この想定状況における人間の危害回避行動を調査するために,倫理部会の承認を得たうえで,参加者を募り心理学実験を実施した.実験結果に対する解析としては,エンドエフェクタが運動し始めてから,参加者が頭部を動かし始めるまでの時間を「回避反応時間」と定義し,回避反応時間の確率分布を推定した.その結果,危害回避行動の初期段階における回避動作は,注意によって誘発されると捉えられるため,「注意誘発回避動作」と定義した.そして,注意誘発回避動作は,接近物体との距離に依存する特性を有することがわかった.また,参加者の個人差に着目して検定を行ったところ,参加者全員を対象とした場合と比べ,必ずしも検定結果が一致しないことがわかった.そこで,この結果を反映させるべく,証拠理論の信念関数を用いて回避動作の分類を試みた.さらに,本研究を推進する上で基本要素となる以下の2つの技術の開発を進め,ともに試作を行ってそれらの動作を確認した。すなわち,第一として,4自由度に及ぶ眼球運動再現装置の構築に着手した.また,第二として,作業者とロボットの想定される共存状況を再現するためのシミュレータ構築を行った.さらに,開発したシミュレータにモーションキャプチャから得られた参加者の回避動作データを入力することにより,彼らの回避動作を再現したり,条件を変えて解析を進めたりすることが可能となった.
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