研究概要 |
同一センサで,光画像・蛍光画像・イオン画像を同時測定できる世界に類をみないマルチモーダルセンサを実現し,このセンサをCMOS/CCD技術によりそれらの情報を画像化できるバイオイメージセンサを製作する.さらにこのバイオイメージセンサに生体,細胞などを直接,密着または培養させることにより,それらの情報をリアルタイムに観察できるシステムを製作することを目標としている.従来蛍光画像は蛍光顕微鏡を用いて,様々なラベルを用いながら生体観察を行ってきた.フィルタを使わないことで,従来の蛍光顕微鏡においては,光学フィルタを交換することでしか撮影できなかった多重染色した蛍光画像を,本イメージセンサを利用してリアルタイム観察が出来る可能性を示し,多重染色した蛍光動画像を取得できる見通し得ることを目的とする.LSI技術とバイオの融合したこの新規デバイスにより,従来の手法で不可能であったことが,可能にとなる.本年度は蛍光画像と水素イオンを同時に取得する単体のマルチモーダルイメージセンサの試作を豊橋技術科学大学LSI工場により行なった.またそのチップからの画像信号と,フィルレス分光機能を有する読み出しシステムを構築した.試作を行ったイメージセンサにより,水素イオン画像,470nm波長画像,540nm波長画像を同時に取得することに成功した.また昨年度課題が見つかったイオン信号に対する光の影響の問題も解決できた.
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