研究課題/領域番号 |
21246059
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
吉川 公麿 広島大学, ナノデバイス・バイオ融合科学研究所, 教授 (60304458)
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研究分担者 |
横山 新 広島大学, ナノデバイス・バイオ融合科学研究所, 教授 (80144880)
小出 哲士 広島大学, ナノデバイス・バイオ融合科学研究所, 准教授 (30243596)
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キーワード | CMOS集積回路 / アンテナアレー / 無線通信 / 乳がん / ウルトラワイドバンド / 等価時間サンプリング / 共焦点画像処理 |
研究概要 |
本研究の目的は電波による乳ガン検出技術開発である。研究の内容は中心周波数が3-10GHz帯域のウルトラワイドバンド(UWB)インパルス電磁波をUWBアンテナアレーから生体内へ放射し、誘電率と導電率が生体組織と異なる腫瘍界面で反射した電波が遅れて到達する時間を測定しアンテナアレーで受信し合成画像化することである。 今年度は4x4UWBスロットアンテナアレーを設計試作し、UWB-CMOS送信回路の伝送実験を行い、受信デジタルサンプリング回路を改良した。 1.乳がん検出用の4x4スロットアンテナアレーの開発 デュロイド基板に4x4スロットアンテナアレーを試作し、6GHzにおける皮膚の誘電率24.6、胸部脂肪の誘電率5.06、乳がんの誘電率42.8として、3次元電磁界シミュレーションを実行した結果、乳がんがある場合の受信波形と無い場合の受信波形の時間領域差分波形を三次元位置座標に共焦点画像変換し三次元的に乳がんの位置を決定することが可能であることを確認した。 2.等価時間サンプリングによる共焦点画像処理 65nm CMOSプロセスを用いて、等価時間サンプリングチップ改良版を試作した。本チップを使って、パルス幅213psのGMP信号をディジタル化し等価的に253psのパルス幅を得た。周波数領域においては、ピーク位置がほぼ同じで、入力帯域1.6-8.3GHzとほぼ同じ、1.9-6.5GHzの帯域を得ることができた。また、本回路を使った、乳がんファントム中のターゲット検出(深さ22mm)実験の結果、回路が十分使用できることを確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
1.4x4UWBアンテナアレーを設計シミュレーションし、試作して性能を確認した。 2.等価時間サンプリング回路改良版を設計試作し、共焦点画像処理により、ファントムターゲットの検出に成功した。
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今後の研究の推進方策 |
これまでに試作した、送信チップ、受信チップ、信号処理チップを統合して、4x4アンテナアレーを用いて、乳がんファントムターゲットの3次元画像処理技術を開発する。
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