研究概要 |
本研究は、形態機能を発現するコンプライアント・バンプ技術をさらに発展させ、シリコンCMOSと非シリコン系ナノテクノロジーで作製したデバイスを物理的にシームレスに接続を可能にする水準の接合電極技術を開発することを目的としている。今年度の成果を以下に要約する (1)金製の先鋭バンプとプラグ・アンド・ソケットに相当する態様で接合する新形マイクロ電極形状を考案し,常温でLSIチップの積層接続を可能にした.チップ当たり3万点を超える接続点の接続が可能であることを実証した (2)金製先鋭バンプの微細化を進め,世界最高水準となる電極間隔10ミクロンの高密度接続を可能にした (3)化学増幅型フォトレジストの改良を行い,銅製の先鋭マイクロバンプを,金製のものと同様に,通常のメッキ工程で作製することを可能にした (4)クロスハッチ形のスリットを形成した電極構造を考案し,この電極を先鋭バンプとの接合により,従来の製造装置を用いて大気中で銅/銅電極の常温での接合を可能にした.接合抵抗は一接点あたり0.1オーム以下であり,三次元集積回路を始めとする多くの応用に利用できる性能をもつことを示した (5)有限要素解析により,有機材料上の配線とLSIを金製先鋭バンプで接合する際の変形挙動を調査した結果,大きな変形を伴わずに両者を接合できる可能性が示された (6)有機材料上に無電解メッキ法を併用して金属配線を形成する技術を開発した (7)化合物半導体センサーアレイとCMOS LSIを本研究で開発したマイクロ電極と接合技術を利用して積層接続し,高性能の近赤外イメージセンサを作製した
|