研究課題/領域番号 |
21246071
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
佐藤 良一 広島大学, 大学院・工学研究院, 教授 (20016702)
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研究分担者 |
氏家 勲 愛媛大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (90143669)
宮澤 伸吾 足利工業大学, 工学部, 教授 (10157638)
丸山 一平 名古屋大学, 大学院・環境学研究科, 准教授 (40363030)
石田 剛朗 広島大学, 大学院・工学研究院, 助教 (60420501)
宮内 克之 福山大学, 工学部, 教授 (80368779)
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キーワード | 土木材料 / 鉄筋コンクリート / 収縮 / 破壊エネルギー / せん断強度 / 内部ひび割れ / 透気性 |
研究概要 |
本年度は、コンクリートの収縮特性、収縮によるかぶりコンクリートの損傷、コンクリートの破壊エネルギーに及ぼす収縮の影響、水セメント比が0.35の場合の斜めひび割れ発生強度に及ぼす収縮の影響を主に検討し、併せて前研究機関の総括を行った。 検討の結果、(1)コンクリートの乾燥収縮は、骨材の乾燥収縮およびヤング係数を主要因とする式により正確に予測できることを示した、(2)乾燥収縮の異なるRC棒材持続引張載荷試験から収縮量が大きくなれば内部ひび割れ幅が持続的に大きくなり透気係数も増大することを見出した。また。両引き試験であらかじめ内部ひび割れを発生させ、塩水による乾湿繰り返しを行った場合には鉄筋腐食開始時期が早くなり腐食速度も速くなった。(3)いわゆる骨材自身が乾燥し大きな収縮が生じたコンクリートであっても破壊エネルギーGfはW/C=0.5、0.35、乾燥暴露、封緘の2養生条件の範囲では、0.15-0.24N/mmの範囲にあり、通常のコンクリートと大きくことなることはなかった。またGfは乾燥暴露される場合が封緘より大きかった。(4)ヤング係数の小さい高収縮コンクリートであっても、W/C=0.5、断面300mm×1130mm、V/S=119mm、鉄筋比1.06%では材齢200日で自由収縮が600μ、鉄筋ひずみが250マイクロ生じ、自由収縮のおよそ40%のひずみが鉄筋に導入された。同一諸元でW/C=0.35の場合には、材齢260日で自由収縮が500μ、鉄筋ひずみが325マイクロ生じ、自由収縮のおよそ65%のひずみが鉄筋に導入され、収縮により無視し得ない鉄筋ひずみが生じ併せてひび割れ抵抗性が低下することを示した。(5)収縮の影響によるRCはりの斜めひび割れ発生強度低下は、鉄筋比=1.06%の場合有効高さ1000mmで明確に認められたが、鉄筋比=1.59%の場合は、収縮の大きい方の強度が大きい結果となった。 これまでの成果も含め総括し、特にせん断強度では、収縮によるせん断強度低下は鉄筋比が1.06%の場合は、W/C=0.5、0.35に拘わらず認められ、鉄筋比が1.59%の場合はW/Cに拘わらず認められないことを示した。
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