研究課題/領域番号 |
21246072
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研究機関 | 長岡技術科学大学 |
研究代表者 |
下村 匠 長岡技術科学大学, 工学部, 准教授 (40242002)
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研究分担者 |
田中 泰司 長岡技術科学大学, 工学部, 助教 (40377221)
山本 貴士 京都大学, 工学系研究科, 准教授 (70335199)
宮里 心一 金沢工業大学, 工学部, 教授 (60302949)
斉藤 成彦 山梨大学, 医学工学総合研究部, 准教授 (00324179)
上原子 晶久 弘前大学, 理工学部, 准教授 (70333713)
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キーワード | 鉄筋腐食 / PC鋼材 / 腐食ひび割れ / 冗長性 / 有限要素解析 / 材料劣化 / 構造性能 / 鉄筋コンクリート |
研究概要 |
本研究は、鉄筋腐食に代表される材料劣化が生じたコンクリート構造物の構造性能の評価について、実験的研究、解析手法の検討を推進するとともに、得られた要素技術、研究成果の体系化を目的に行った。平成23年度には以下の成果を得た。 1)鉄筋が腐食したRC実橋の載荷試験で見られた断面修復後の再腐食による継手部分の破壊を室内実験により再現し、腐食による主筋の定着不良が部材の構造性能を著しく損なうことを明らかにした。 2)プレテンションPC実橋の載荷試験と供試体を用いた室内試験を行い、プレテンション緊張材の腐食は、プレストレスロスと鋼材の負担引張力の低下と、腐食ひび割れによるコンクリートの見かけの曲げ強度の低下を引き起こすことを明らかにした。 3)電食により鋼材を腐食させたポストテンション方式PCはり試験体の曲げ載荷実験を行い、シースの腐食に伴う付着劣化とPC鋼材の腐食が耐荷性状に及ぼす影響について明らかにした。また、非線形数値解析により、耐荷メカニズムを詳細に分析した。 4)融雪剤の影響により著しい鋼材腐食が生じたPC床版橋について有限要素法を用いて構造性能の評価を行い、上部工全体系では構造の冗長性や劣化桁の偏在が構造性能に影響を及ぼすことを明らかにした。 5)鉄筋腐食を生じたRC曲げ部材のかぶりのはつり調査位置で鉄筋径を直接測定することを想定し、得られた数点の鉄筋径から部材中の引張主筋の断面積の分布特性を推定して曲げ耐荷力を算定する手法を提案し、曲げ耐荷力の実験値を安全側に評価できることを示した. 6)腐食の空間的なばらつきの参考データとすることを目的とし、日本海沿岸で約10年間空気中に暴露された鉄筋の形状を3Dスキャナで測定した。この結果、水の存在によって腐食の程度は大きく異なり、腐食生成物によって鉄筋の太さが2倍前後にまで膨張する場合があることを確認した。
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