豪雨・地震による斜面災害の高精度予測システムの開発

2012 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 21246075
• 研究機関: 筑波大学
• 研究代表者: 山田 恭央 筑波大学, システム情報系, 教授 (90111476)
• 研究分担者: 間渕 利明 国土技術政策総合研究所, 危機管理技術研究センター 地震防災研究室, 主任研究官 (00549321) ; 境 有紀 筑波大学, システム情報系, 教授 (10235129) ; 山越 隆雄 独立行政法人土木研究所, 土砂管理研究グループ 火山・土石流チーム, 主任研究員 (10355860) ; 八木 勇治 筑波大学, 生命環境系, 准教授 (50370713) ; 松島 亘志 筑波大学, システム情報系, 准教授 (60251625) ; 庄司 学 筑波大学, システム情報系, 准教授 (60282836)
• 研究期間 (年度): 2009-05-11 – 2013-03-31
• キーワード: 斜面災害 / 豪雨 / 地震 / 予測システム / 地盤情報データベース / 粒子法解析 / 建物・道路被害推定 / 斜面被害関数

研究概要

本研究は，最新の全国地盤情報データベース，強震動予測を入力情報として，地盤物性や土中水分情報を組み込んだ斜面崩壊・流動シミュレータを開発し，流動範囲の予測，およびそれに伴う家屋の被害，道路インフラ等の被害の評価も含めた，高精度な斜面災害予測システムの開発を行うことを目的としている．以下に，実用化対応フェーズ(2)と位置づけた本年度(最終年度)の研究成果の概要を示す．
(1) 斜面安定に重要な因子である土中水分量を考慮するため，粒子法による集水地形評価法を提案し，その情報から崩壊危険斜面を同定する手法を開発した．本手法をブラジル・リオデジャネイロの斜面崩壊事例に適用し，解析の妥当性を検証した．また，斜面崩壊時のせん断強度低下に影響を及ぼす土粒子破砕や粒子間付着力の検討を行った．また，斜面崩壊予測支援システムに，アメダスデータから得られる土壌水分指標の全国データを導入した．これらにより，全国土において土中水分量を考慮した斜面崩壊危険度評価を行うことが可能となる．
(2) 全国予測地震動に関しては，破壊伝播速度を正確に求めるための手法の開発，震源過程の複雑さを簡便に導入して任意地点の地震動を求めるプログラムを作成・検討した．
(3) 地震動情報から斜面被害を簡便に評価する手法の開発・検証・高度化を行った．
(4) 2008年岩手・宮城内陸地震における災害事例を基に構築してきた，斜面損傷に随伴する道路構造物の被害関数(モデル)に関して，地表面最大加速度（PGA），地表面最大速度（PGV），計測震度（IJ），及び，SI値の4通りの地震動強さに関わる指標に対するモデルの適合度を精査するとともに，2011年東北地方太平洋沖地震の際の被災データを分析し，モデルの予測精度の検証を行った．

現在までの達成度 (区分)

理由

24年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

24年度が最終年度であるため、記入しない。

研究成果

• [雑誌論文] 2011年東北地方太平洋沖地震で発生した地震動と建物被害の対応性－建物の大きな被害をより正確に推定する地震動強さ指標－ (2013)
  • 著者名/発表者名: 境有紀
  • 雑誌名: 日本建築学会構造系論文集 巻: 第683号 ページ: 35-40
  • DOI: 10.5610/jaee.12.7_38
  • 査読あり
• [雑誌論文] Smooth and rapid slip near the Japan Trench during the 2011 Tohoku-oki earthquake revealed by a hybrid back-projection method (2012)
  • 著者名/発表者名: Yagi Y., Nakao A. and Kasahara, A
  • 雑誌名: Earth and Planetary Science Letters 巻: 355-356 ページ: 94-101
  • 査読あり
• [雑誌論文] 計測震度のフィルタを修正することによって建物被害率と対応させる試み (2012)
  • 著者名/発表者名: 神田和紘，境有紀
  • 雑誌名: 日本地震工学会論文集 巻: 第12巻, 第7号 ページ: 7_19-7_37
  • 査読あり
• [雑誌論文] 2011年東北地方太平洋沖地震における斜面に関わる道路構造物の被害分析 (2012)
  • 著者名/発表者名: 櫻井俊彰，庄司学，高橋和慎，中村友治
  • 雑誌名: 土木学会論文集A1（構造・地震工学） 巻: Vol.68，No.4 ページ: I_1315-I_1325
  • 査読あり
• [雑誌論文] Discrete element simulation on the grading change of the granular materials caused by grain crushing (2012)
  • 著者名/発表者名: Takao Ueda, Takashi Matsushima, Yasuo Yamada
  • 雑誌名: The Seventh Asian Young Geotechnical Engineers Conference, 7AYGEC 巻: vol 1 ページ: 77-84
  • 査読あり
• [学会発表] 破砕性粒状体の一次元圧縮に関するDEM解析
  • 著者名/発表者名: 上田高生，松島亘志，山田恭央
  • 学会等名: 第47回地盤工学研究発表会
  • 発表場所: 八戸工業大学（青森県）
• [学会発表] 様々な形状をした破砕性粒子集合体の一次元圧縮に関するDEM解析
  • 著者名/発表者名: 上田高生，松島亘志，山田恭央
  • 学会等名: 土木学会第67回年次学術講演会
  • 発表場所: 名古屋大学（愛知県）
• [学会発表] 接触点にセメントボンドを有する粒状体の単純せん断及び一軸引張りシミュレーション
  • 著者名/発表者名: 近藤邦彦，上田高生，松島亘志，山田恭央
  • 学会等名: 第9回地盤工学会関東支部発表会
  • 発表場所: 科学未来館（東京都）
• [学会発表] Risk Mapping of Landslides Due to Torrential Rain in Brazil
  • 著者名/発表者名: Nakata Alessandra Mayumi, Takashi Matsushima and Yasuo Yamada
  • 学会等名: 第9回地盤工学会関東支部発表会
  • 発表場所: 科学未来館（東京都）
• [学会発表] 接触点にセメントボンドを有する粒状体の間隙比変化に伴う力学挙動に関する検討
  • 著者名/発表者名: 近藤邦彦，松島亘志，山田恭央
  • 学会等名: 第9回地盤工学会関東支部発表会
  • 発表場所: 科学未来館（東京都）
• [学会発表] 強震動予測手法に関するベンチマークテスト その11：統計的グリーン関数法におけるばらつきの検証（ステップ1～4）
  • 著者名/発表者名: 戸田和徳, 境有紀, 久田嘉章
  • 学会等名: 日本建築学会大会
  • 発表場所: 名古屋大学（愛知県）
• [学会発表] 地震被害推定のための木造建物群モデルにおける周期分布の検討
  • 著者名/発表者名: 飯塚裕暁, 境有紀
  • 学会等名: 日本建築学会大会
  • 発表場所: 名古屋大学（愛知県）
• [学会発表] 被害率0％の実被害データを含む被害関数の構築
  • 著者名/発表者名: 林佑樹, 境有紀
  • 学会等名: 日本建築学会大会
  • 発表場所: 名古屋大学（愛知県）
• [学会発表] 大地震時の室内被害推定のための非線形フレームモデルの構築
  • 著者名/発表者名: 中泉洋香, 境有紀
  • 学会等名: 日本建築学会大会
  • 発表場所: 名古屋大学（愛知県）
• [学会発表] 遠地実体波解析から得られた 2011 年東北地方太平洋沖地震の震源過程
  • 著者名/発表者名: 八木 勇治・中尾 篤史
  • 学会等名: 日本地球惑星科学連合2012連合大会
  • 発表場所: 幕張メッセ（千葉県）
• [学会発表] 後続波の情報を使用する新しいバックプロジェクション法
  • 著者名/発表者名: 中尾 篤史・八木 勇治
  • 学会等名: 日本地球惑星科学連合2012連合大会
  • 発表場所: 幕張メッセ（千葉県）
• [学会発表] 津波地震の震源過程とその前後の正断層型地震の活動変化
  • 著者名/発表者名: 江崎 隼輝・八木 勇治
  • 学会等名: 日本地球惑星科学連合2012連合大会
  • 発表場所: 幕張メッセ（千葉県）
• [学会発表] Seismic energy releases of great earthquakes revealed by a hybrid back-projection method
  • 著者名/発表者名: Yuji Yagi, Atsushi Nakao, Amato Kasahara
  • 学会等名: American Geophysical Union, Fall Meeting
  • 発表場所: Moscone Center（米国）
  • 招待講演
• [学会発表] 2008年岩手・宮城内陸地震による栗駒山崩壊斜面の三次元比抵抗パターン
  • 著者名/発表者名: 山越隆雄、一色弘充、石塚忠範ほか
  • 学会等名: 日本火山学会
  • 発表場所: エコールみよた（長野県）