研究課題/領域番号 |
21246081
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
朝倉 康夫 東京工業大学, 理工学研究科, 教授 (80144319)
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研究分担者 |
羽藤 英二 東京大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (60304648)
山本 俊行 名古屋大学, エコトピア科学研究所, 教授 (80273465)
中山 晶一朗 金沢大学, 環境デザイン学系, 准教授 (90334755)
吉井 稔雄 愛媛大学, 理工学研究科, 教授 (90262120)
井料 隆雅 神戸大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (10362758)
圓山 琢也 熊本大学, 政策創造研究教育センター, 准教授 (20361529)
赤松 隆 東北大学, 情報科学研究科, 教授 (90262964)
多々納 裕一 京都大学, 防災研究所, 教授 (20207038)
長江 剛志 東北大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (30379482)
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キーワード | 災害時交通行動 / 交通ネットワーク信頼性 / ネットワーク交通流理論 / プローブパーソン調査 / リスク評価 |
研究概要 |
本研究の目的は,これまで蓄積されてきた交通行動データ収集と分析,ネットワーク解析および信頼性・リスク評価に関する研究成果をさらに展開し,災害時における交通ネットワークの信頼性評価の理論体系を構築するとともに,実際の都市・地域空間への適用を通じて,開発した方法論の有効性を検証することである.本年度は本課題の4カ年計画の3年目であり,途絶した交通ネットワーク上での帰宅・避難を想定した行動調査・分析,帰宅・避難交通のシミュレーション,信頼性評価モデルの実装を行った.途絶した交通ネットワーク上での帰宅・避難を想定した行動調査・分析は,前年度までに開発した災害時を想定した行動データの収集・分析手法の実用性を確認するため,浜松市を対象として,交通ネットワーク上での帰宅・避難を想定したPP調査およびWEB上でのSP調査を実施し,取得したデータを用いて分析を行った.これにより,前年度までに開発した実行動データをもとに災害時を想定した行動データを収集できる調査システム(PP+SP)により,災害時の交通行動の観測に関して一定の成果を得た.来年度以降,この成果より帰宅・避難交通のシミュレーションとリスク評価を検討する.帰宅・避難交通のシミュレーション,信頼性評価モデルの実装についても,前年度までのフレームワークをもととして,一定程度の実装ができており,次年度の帰宅・避難交通のシミュレーションと信頼性評価を実行できる環境が整った.次年度の分析で,被災レベルの差がネットワークフローと信頼性評価指標値に及ぼす影響等を分析できる状況であり,次年度の改良を経て実ネットワーク上で評価する際に有効に機能するかどうかについての検討を行う予定である.以上の各方法論の開発・実装の成果を来年度の「途絶した交通ネットワーク上での帰宅・避難交通のシミュレーションとリスク評価」に活用する予定である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
行動調査・分析調査の実施状況は良好であり,来年度の帰宅・避難交通のシミュレーションとリスク評価に向けた準備ができている状況である.また,シミュレーション及び,信頼性評価モデルの実装も良好であり,来年度の影響分析,信頼性評価に向けた準備が一定程度行えている状況である.
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今後の研究の推進方策 |
今年度の前半には,前年度までに構築した方法論の改良を行う.これにより,行動データの収集プロセスとネットワークシミュレーションを統合し,より現実性のある条件下で災害時を想定した行動データが収集できるよう方法論を改良することを検討する.前年度までに構築した方法論及び改良した方法論を用いて,ネットワーク計画の信頼性評価,ネットワークの被災レベルの影響分析を実施し,被災レベルの差がネットワークフローと信頼性評価指標値に及ぼす影響や,実ネットワーク上で評価が有効に機能するかなどを分析する.また,4年間の研究成果をとりまとめ,海外共同研究者らと災害時の交通ネットワーク信頼性評価に関する国際ワークショップを開催する.調査報告書を作成し,研究成果を広く世界に発信すると同時に,最新の研究動向を踏まえ,新たな課題に向けた準備を進める.
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