研究概要 |
本申請研究では、セメント・コンクリート系建築材料の生産・製造・建設・解体・リサイクルという建設活動において発生する環境負荷を大幅に削減できる要素技術および資源循環システムを構築することを目的として、平成22年度は、実験室レベルで鉄筋コンクリート試験体およびコンクリート試験体を作製し、下記に示す手法について実験を実施した。 部材としての再利用が不可能な構造体コンクリートに関しては、粗破砕後の解体コンクリート塊を対象として、完全リサイクル化技術の確立のために、再生骨材利用時の不純物の混入に伴う品質低下およびそのリスク評価分析,副産細粒を用いた高強度コンクリートの収縮低減特性,無機建材の完全リサイクルを想定した成分分析を行った. また、骨材リサイクルを円滑にするため,新設のコンクリート用骨材に予め材料の分離を念頭に置いた処置を施すことで,高品質な再生骨材を取り出す手法を昨年度提案したが,粗骨材表面の遷移帯部分を高密度のペースト被覆によって改善することによりコンクリートの圧縮強度を確保しつつ、再生骨材回収率を高める手法を標準化するために,改質ペーストの粘性などからモデル化を開始した. また,誘導加熱を用いて鉄筋を加熱した場合、鉄筋周辺にひび割れを発生させ、コンクリートと鉄筋との付着を低下させることができる技術について、評価指標を確立するため,誘導加熱時の鉄筋の温度上昇をモデル化し,これによって最適な施術方法の検討を行った.
|