研究概要 |
本申請研究では、セメント・コンクリート系建築材料の生産・製造・建設・解体・リサイクルという建設活動において発生する環境負荷を大幅に削減できる要素技術および資源循環システムを構築することを目的として、平成23年度は、より実用性の高いレベルで,鉄筋コンクリート試験体およびコンクリート試験体を作製し、下記に示す手法について実験を実施した。 骨材リサイクルを円滑にするため,新設のコンクリート用骨材に予め材料の分離を念頭に置いた処置を施すことで,高品質な再生骨材を取り出す手法を昨年度提案したが、粗骨材表面の遷移帯部分を高密度のペースト被覆によって改善することによりコンクリートの圧縮強度を確保しつつ、再生骨材回収率を高める手法を標準化するために,改質ペーストの粘性などからモデル化を完成し,一般の生コンクリート工場で調合設計が可能な調合設計手法を完成させた. また,誘導加熱を用いて鉄筋を加熱した場合、鉄筋周辺にひび割れを発生させ、コンクリートと鉄筋との付着を低下させることができる技術について、評価指標を確立するため,誘導加熱時の鉄筋の温度上昇をモデル化し,これによって最適な施術方法を考案し,実際の建物に適用した場合のコスト,解体にかかる時間,エネルギー量などを算定できる方法を確立し,これにより,一般の破砕機器を組み合わせた解体方法との比較が可能になった.
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