研究課題
(a)共焦点SPACE用電子回路の開発同期回路を利用した高周波数の基本クロックで送信・受信系を統一して制御することで精密な周波数調節が可能なバースト波を発生し、送信波に遅延則を適用してビームを偏向・集束できる共焦点SPACE用の電子回路の基本仕様を検討して決定した。次にこの仕様を実現する装置方式を検討して、装置を作製できる業者を検討して発注し検収した。さらに、試作したアレイにこの電子回路を適用して、疲労き裂試験片においてき裂開口部で高輝度が得られる基本波像と、き裂閉口部で高輝度が得られるサブハーモニック像を計測した。最後に、これらの結果に基づいて、試作した共焦点SPACE用電子回路の基本性能を検証した。さらに、ヒルベルト変換を用いた理論解析により、映像分解能向上の可能性に関する新知見を得て、これに基づく演算部をH22年度に製作することとした。(b)大振幅超音波アレイに関する技術開発絶縁耐圧と電気機械変換効率が水晶より高いニオブ酸リチウム(LiNbO_3;以下LN)単結晶を用いたアレイの試作を行った。まず、MEMS技術を用いて、検査体表面の法線からの偏向角を30°~60°の範囲で制御できるLNアレイを設計し、くさびとの薄く均一な接着層による接合と、高精度なダイシング等を用いて特性の揃った送信用LNアレイを試作した。次に、各素子から出力された超音波の変位分布を測定し、各素子の最大変位を測定した。さらに各素子に遅延則を適用して送信し、アルミ合金試験片において偏向・集束されて透過した音場をレーザー干渉計(既設)により評価した。また線形欠陥(丸穴)で映像化の基礎実験を行い、適切に偏向角を制御することで、任意の領域を選択的に映像化できることを実証した。さらに閉じた疲労き裂を導入した試験片においてLNアレイを動かさず偏向角を変え、広い領域を映像化してき裂閉口部の応答を高感度に検出できることを示した。
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Proceedings of Symposium on Ultrasonic Electronics
巻: 30 ページ: 251-252
巻: 30 ページ: 69-70
Japanese Journal of Applied Physics
巻: 48 ページ: 07GD01-1-07GD01-6
http://www.material.tohoku.ac.jp/~hyoka/database_year_j.html