研究課題/領域番号 |
21246105
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
山中 一司 東北大学, 未来科学技術共同研究センター, 教授 (00292227)
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研究分担者 |
小原 良和 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教 (90520875)
辻 俊宏 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教 (70374965)
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キーワード | 非線形 / サブハーモニック / き裂 / 応力腐食割れ / アレイ |
研究概要 |
(1)大振幅超音波アレイの設計と試作 H21年度は、MEMS技術を用いて、検査体表面の法線からの偏向角を30°~60°の範囲で制御できるLNアレイを設計し、特性の揃った送信用LNアレイを試作した。本年度は、共焦点分調波フェーズドアレイ用電子回路を調整し、アルミ合金疲労き裂を用いて、SPACE試作機と上記回路の分解能と信号対雑音比の比較を行った。次にPZTアレイでも32chの送信波を集束すれば十分な振幅が得られることを見出し、受信にも同一の32素子アレイを用いることを特徴とする単一アレイ方式のSPACEを試作した。これにより、ステンレス鋼の閉口疲労き裂や応力腐食割れの分調波応答を計測した。また、高温高圧水で閉じたインコネル溶接金属中の応力腐食割れを分調波像によって検出することにも成功した。理論面でも、これらの分調波像を再現できる2次元解析モデルを考案し、シミュレーションプログラムを開発した。 (2)疲労試験機の導入 H21年度は、既存の疲労き裂試験片において信号対雑音比に及ぼす送信電圧および受信ゲイン依存性を計測し、試験片作製に必要な試験機の仕様を決定した。本年度はこの仕様を満たす疲労試験機を導入して、き裂開口部で高輝度が得られる基本波像と、き裂閉口部で高輝度が得られるサブハーモニック像を確認した。次に、SUS316鋼のコンパクトテンション試験片に疲労き裂を作成して、SPACEによる検出実験を行った。この結果、SUS316鋼の閉じた疲労き裂作製条件を見出し、これを用いた閉口き裂の生成・進展挙動の解析を行った。
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