研究課題/領域番号 |
21246106
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研究機関 | 茨城大学 |
研究代表者 |
友田 陽 茨城大学, 理工学研究科, 教授 (90007782)
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研究分担者 |
大沼 正人 物質材料研究機構, 量子ビーム研究センター, 主幹研究員 (90354208)
石垣 徹 茨城大学, フロンティア応用原子科学研究センター, 教授 (00221755)
ステファヌス ハルヨ 日本原子力研究開発機構, J-PARCセンター, 研究員 (40391263)
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キーワード | 中性子回折 / 中性子小角散乱 / 相変態 / 組織制御 / 鉄鋼材料 / その場測定 / 時分割測定 / ベイナイト |
研究概要 |
鉄鋼材料の組織制御を従来の熱膨張測定に加えて、その場中性子広角回折および小角散乱によって結晶構造変化、炭素濃度分配、変態生成物のサイズ分布等を時分割で追跡する手法の確立が本研究の目的である。 本年度は、東日本大震災により国内では中性子実験ができなくなったので、英国ラザフォード・アップルトン研究所ISISおよび韓国原子力研究所HANAROに実験の申請を行い採択された。ISISでは、加工熱処理によりナノベイナイト変態が加速されることをその場中性子回折で明らかにできた。変態の加速には低温でオーステナイトを加工することが重要で、その理由が加工で導入される転位組織の温度依存性に由来することを明らかにした。一方、小角散乱では、そのような転位組織と転位密度の情報を小角散乱プロファイルから得ることを目的に、加工量の異なる試料を用意して、プロファイル変化を追跡した。広角/小角散乱プロファイルから、いかにしてミクロ組織因子を定量的に評価できるかが鍵であり、プロファイル解析方法の研究を進めた。従来はプロセス中に試料を急冷して組織を凍結し、高温における組織状態を定性的に推定していたが、本手法の活用により高温プロセス中の状態を時々刻々定量的に追跡できるので、この分野の画期的な発展につながると期待される。海外装置により得られた結果と昨年度の震災直前に行ったiMATERIA等の実験結果を解析し講演発表、論文作成を進めた。
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