本研究では、宇宙の特殊な環境におけるウィスカ発生・成長メカニズムを解明し、これに基づき抑制策の提案することを大目標とする。本年度は、1) 温度サイクルウィスカに対する真空環境の影響、2) 基材の材質影響評価、3) エレクトロマイグレーション・ウィスカのメカニズム解明、4) 表面コートの効果、5) シミュレーション・寿命予測の検討を行った。その結果、1) では高真空環境の温度サイクル試験後に発生したウィスカが大気中のものより細長いことがわかった。2) では、基材の熱膨張係数差によりウィスカの発生挙動が異なることを確認した。3) では、EM評価用の実装基板設計と治具を設計制作した。フリップチップ接続を基本としたSn-3Ag-0.5Cu試験片とSn-Inストリップ試験片を用いて、150℃程度の加熱環境下で試験を実施し、基礎知見を得た。4) では、すずめつき上に金属コートと有機膜コートを形成させた試験片を作製し、室温におけるウィスカ抑制効果を調べた結果、耐ウィスカ性が高いコート種を選別することができた。また、コード材料の基礎物性を測定した。5) では、有限要素法による解析を行うため、めっき膜のモデル化を進めた。
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