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2010 年度 実績報告書

溶融シリコンのリンとボロンの同時除去

研究課題

研究課題/領域番号 21246115
研究機関東京大学

研究代表者

前田 正史  東京大学, 生産技術研究所, 教授 (70143386)

研究分担者 岡部 徹  東京大学, 生産技術研究所, 教授 (00280884)
永井 崇  東京大学, 生産技術研究所, 助教 (40533633)
キーワード高純度化 / 太陽電池 / シリコン
研究概要

真空中での電子ビーム溶解により溶融シリコンからリンおよびボロンを揮発除去するための手法を探索した。このとき、溶融シリコンの表面温度が電子ビームの出力に依存することを想定し、リンおよびボロンの除去速度の温度依存性を調査した。また、溶融シリコンに反応性ガスである酸素・水蒸気混合ガスを吹き込むことにより、リンおよびボロンが酸化物などの化合物となり除去が促進されるかを検証した。
リンについては、酸素・水蒸気混合ガスを吹き込むことによりリンの除去速度が影響を受け、いくつかの条件において脱リン速度が向上する結果を得た。反応性ガスの吹き込みによりリン除去が促進される場合は、リンがPOなどの気体となって蒸発していると予想される。リンの除去速度には大きな温度依存性が見られ、本研究では活性化エネルギーを見積もって反応の律速過程について考察した。
ボロンについては、多くの実験条件においてシリコンからの除去が確認されなかったものの、特定のビーム出力およびガス混合比率においてボロン濃度の減少が見られた。反応性ガスによるボロン除去が可能であることが示唆され、適切な表面温度および酸素・水蒸気比率を選択することが重要と考えられる。
質量分析法による熱力学測定では、シリコン中のリンの蒸気圧を測定した。本測定により得られたシリコン中リンの熱力学的情報は、溶融シリコンからのリンを除去するための条件を最適化するにあたり、有用な知見となる。シリコン中のボロンについては蒸気圧が低いために同様の測定は難しいが、純ボロンを測定試料とし、酸素等と共存させることによりボロンが化合物となって蒸発することが示されている。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2011 2010

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Removal Rate of Phosphorus from Molten Silicon2011

    • 著者名/発表者名
      T.Kemmotsu, T.Nagai, M.Maeda
    • 雑誌名

      High Temperature Materials and Processes

      巻: 1-2 ページ: 17-22

    • 査読あり
  • [学会発表] Purification of Silicon by Electron Beam Melting Technique2011

    • 著者名/発表者名
      Takashi Nagai; Tomoki Kageyama; Masafumi Maeda
    • 学会等名
      TMS 2011 annual meeting
    • 発表場所
      San Diego, California, USA
    • 年月日
      2011-03-03
  • [学会発表] 電子ビーム溶解法による溶融SiからのPの除去2010

    • 著者名/発表者名
      永井崇、見持貴之、前田正史
    • 学会等名
      日本金属学会2010年秋季大会
    • 発表場所
      北海道大学
    • 年月日
      2010-09-26

URL: 

公開日: 2013-06-26  

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