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2009 年度 実績報告書

溶液中からのコモンメタル・ナノ微粒子の合成・形態デザインとその応用研究

研究課題

研究課題/領域番号 21246116
研究機関名古屋大学

研究代表者

興戸 正純  名古屋大学, 工学研究科, 教授 (50126843)

研究分担者 市野 良一  名古屋大学, エコトピア科学研究所, 教授 (70223104)
黒田 健介  名古屋大学, 工学研究科, 准教授 (00283408)
キーワード金属ナノ粒子 / 銅微粒子 / 化学還元法 / 水溶液合成 / 反応プロセス解析 / 銅前駆体
研究概要

溶液中での「酸化・還元反応」や固液共存状態あるいは錯体形成を利用した「濃度制御手法」を取り入れた新規な「単一・液相プロセス」を提案し,数十ナノメートルレベルのコモンメタル・ナノ微粒子の合成を目的として研究を行った.硫酸銅水溶液にアンモニア水とゼラチンを加え,pH12に調整することで水酸化銅を沈殿させ,水素化ホウ素ナトリウムを加え313Kで30分間撹伴し銅ナノ粒子を合成した。その際の還元過程を観察・評価することにより銅ナノ粒子の生成過程の解明を行った.反応時間毎の生成物のX線回折,電子顕微鏡観察,粒度分布解析,反応過程における酸化還元電位および電気化学インピーダンス測定から考察を加えた.反応は5分以内に終了し,前駆体の水酸化銅表面の多くの場所で銅の格生成が生じ,それが粒成長することで微細銅微粒子が形成することが明らかとなった.また,得られた粒子は粒径約30nmで分散性の高いものであることが確認された.
化学還元法で使用される代表的な還元剤には次亜リン酸,水素化ホウ素ナトリウムなどが挙げられるが,これらはリンやホウ素が金属微粒子に不純物として取り込まれる可能性がある.一方,ヒドラジンは,反応により水と窒素のみ生成し不純物混入がない.そこでヒドラジンを還元剤に用いてコバルトナノ粒子の合成を行った.硫酸コバルト水溶液とヒドラジンを混合しpH14で反応させると生成物は水酸化コバルトのみであったが,溶液中にくえん酸を添加すると生成物は金属コバルト粒子になった.コバルトイオンの還元挙動を分極曲線から評価したところ,くえん酸には還元反応を促進する効果のあることがわかった。得られた粒子の形態はヒドラジン濃度により異なり,濃度の低下に伴い樹枝状に変化していくことが確認された.また,合成反応中の電位とpHの測定から反応過程のメカニズム解析に有用な指標が得られた.これにより還元機構を,「統一的ポテンシャル制御」に立脚したプロセス解析に結び付けられるものと考えられる.

  • 研究成果

    (9件)

すべて 2010 2009

すべて 学会発表 (9件)

  • [学会発表] 水素化ホウ素ナトリウムを用いた液相還元法のよる銅ナノ粒子の作製2010

    • 著者名/発表者名
      山本雄也, 市野良一, 興戸正純
    • 学会等名
      資源素材春季大会
    • 発表場所
      東京大学(東京)
    • 年月日
      20100330-20100331
  • [学会発表] 水素化ホウ素ナトリウムを用いた液相還元法による銅ナノ粒子の合成2010

    • 著者名/発表者名
      山本雄也, 市野良一, 興戸正純
    • 学会等名
      電気化学会第77回大会
    • 発表場所
      富山大学(富山)
    • 年月日
      20100329-20100331
  • [学会発表] Fabrication of Copper Nano Particles by Reduction Process in Aqueous Solutions2010

    • 著者名/発表者名
      Y.Yamamoto, R.Ichino, M.Okido
    • 学会等名
      BMMP-10
    • 発表場所
      名古屋大学(愛知)
    • 年月日
      20100126-20100129
  • [学会発表] Preparation of Superfine Copper Particle by Liquid Phase Reduction2009

    • 著者名/発表者名
      Q.Liu, K.Nishio, T.Yasunami, D.Zhou, R.Ichino, M.Okido
    • 学会等名
      2009 MRS Fall Meeting
    • 発表場所
      ボストン(アメリカ)
    • 年月日
      20091130-20091204
  • [学会発表] 液相還元法による銅微粒子合成時の過飽和度制御および還元剤の影響2009

    • 著者名/発表者名
      安並岳洋, 市野良一, 興戸正純
    • 学会等名
      第40回中部化学関係学協会支部連合秋季大会
    • 発表場所
      岐阜大学(岐阜)
    • 年月日
      20091107-20091108
  • [学会発表] 水溶液中からの銅微粒子還元析出反応における過飽和度制御2009

    • 著者名/発表者名
      興戸正純, 市野良一
    • 学会等名
      資源・素材2009
    • 発表場所
      北海道大学(北海道)
    • 年月日
      20090908-20090910
  • [学会発表] 溶液中からのコモンメタル・ナノ微粒子の合成2009

    • 著者名/発表者名
      興戸正純
    • 学会等名
      資源・素材2009
    • 発表場所
      北海道大学(北海道)
    • 年月日
      20090908-20090910
  • [学会発表] 液相還元法による銅微粒子の合成時の過酸化度制御2009

    • 著者名/発表者名
      安並岳洋, 市野良一, 興戸正純
    • 学会等名
      資源・素材2009
    • 発表場所
      北海道大学(北海道)
    • 年月日
      20090908-20090910
  • [学会発表] 水素化ホウ素ナトリウムを用いた液相還元法による銅微粒子の合成2009

    • 著者名/発表者名
      山本雄也, 市野良一, 興戸正純
    • 学会等名
      資源・素材2009
    • 発表場所
      北海道大学(北海道)
    • 年月日
      20090908-20090910

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公開日: 2012-07-19  

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