研究概要 |
種々のH^+-交換ゼオライトを用いてエチレン,1-ブテン,ペンテンエ,ヘキセン転化を行い,プロピレン選択率に及ぼすゼオライトの細孔空洞容積の影響を調べた。エチレン,及び1-ブテン転化反応では,反応中に生成するオクチルカチオンの大きさとゼオライトの細孔空洞容積とが一致すると,選択的にプロピレンが生成した。一方,エチレン転化反応で,反応初期におけるプロピレン生成機構を細孔空洞内に生成した炭化水素を基に推定した.両反応において,特定のオクチルカチオンからプロピレンが生成した。更に,ヘキセン転化ではヘキシルカチオンの大きさとゼオライトの細孔空洞容積とが一致すると,選択的にプロピレンが生成した。また,ペンテン転化反応においては,ペンチルカチオンの大きさとゼオライトの細孔空洞容積とが一致すると,選択的にエチレンとプロピレンが生成した。こうした事実は反応の選択性がゼオライトの細孔入り口径ではなく,細孔空洞容積によって決まることを示している。
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