• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2009 年度 実績報告書

新しい微粒化概念に基づく液体ロケットエンジン用微粒化シミュレータの開発

研究課題

研究課題/領域番号 21246125
研究機関名古屋大学

研究代表者

梅村 章  名古屋大学, 工学研究科, 教授 (60134152)

キーワード微粒化理論 / シミュレーシ / サブグリッド / モデリン / 液体ロケット / 乱流微粒化 / 自己不安定化ループ / 2流体同軸ジェット
研究概要

乱流微粒化を支配する基礎過程を調べる数値的,実験的および理論的研究をおこなった.
(1)数値的研究:連携研究により,JAXAに導入されたスーパーコンピュータを用い,高圧静止空気中に高速噴射した液体ジェットの先頭部で起きる微粒化過程の直接数値シミュレーションを行う機会を得た.この計算は,世界で初めて信頼できる精度で噴射液から噴霧が作られていく過程をシミュレートできたものである.予想通り,層流噴射しても,自励的に乱流微粒化状態が出現し,これまでのようにわからないことは全て噴射液が持つ乱流の性にして済ます研究態度がいかに無益なものでるか明白になった.
(2)実験的研究:高圧窒素ガス中に六フッ化イオウ液を噴射する実験により,液体ロケットエンジンの噴射要素で現れる噴射液の特徴的な微粒化状態を調べた.その結果,液糸の生成機構と液糸の分断機構の関係によって,噴射液の表面が超臨界状態にならなくても,表面が消失したときと同じ状態になることがわかった.この知見は,本研究が基礎においている液糸の分断に関する新しい概念があって初めて解明できたものである.また,微小重力実験により低速噴射液の分断特性に及ぼすノズルの効果について新しい重要な知見が得られた.
(3)理論的研究:直接数値シミュレーションにより,噴射液の不安定化,液糸生成,微粒化の過程を詳しく調べることができるようになったことより,流体力学的不安定化機構の理論的研究を開始し,その知見に基き計算結果の整理を行った.また,噴射液先頭部の微粒化特性をあきらにしてモデル化し,サブグリッドモデルおよび簡易噴霧計算モデルつくりのための準備を行った.

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2010 2009

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件) 産業財産権 (1件)

  • [雑誌論文] Simulation of liquid jet primary breakup : dynamics of ligament and droplet formation2010

    • 著者名/発表者名
      J.Shinjo, A.Umemura
    • 雑誌名

      International Journal of Multiphase Flow

      巻: 36 ページ: 513-532

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 液体噴流微粒化過程の詳細数値解析2010

    • 著者名/発表者名
      新城淳史、梅村章
    • 雑誌名

      ながれ

      巻: 29 ページ: 91-96

  • [雑誌論文] 低速噴射水分裂の微小重力実験から得られた知見(第1報:短波長分断機構の詳細化)2010

    • 著者名/発表者名
      梅村章・川那辺翔・小鹿仁史・陳峰・新城淳史
    • 雑誌名

      日本航空宇宙学会論文集

      巻: 58 ページ: 15-23

    • 査読あり
  • [学会発表] 高温高圧化における液体微粒化の研究2009

    • 著者名/発表者名
      小刀禰貴夫・梅村章
    • 学会等名
      第47回燃焼シンポジウム
    • 発表場所
      札幌コンベンションセンター
    • 年月日
      2009-12-03
  • [産業財産権] ガスジェネレータの環状 2段燃焼器2010

    • 発明者名
      梅村章 西脇康太
    • 権利者名
      名古屋大学
    • 産業財産権番号
      特願2010-79890
    • 出願年月日
      2010-03-30

URL: 

公開日: 2012-07-19  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi