研究課題/領域番号 |
21246126
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研究機関 | 独立行政法人宇宙航空研究開発機構 |
研究代表者 |
船木 一幸 独立行政法人宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究所・宇宙飛翔工学研究系, 准教授 (50311171)
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研究分担者 |
山川 宏 京都大学, 生存圏研究所・生存圏開発創成研究系, 教授 (50260013)
堀澤 秀之 東海大学, 工学部, 教授 (30256169)
山極 芳樹 静岡大学, 工学部, 教授 (30220255)
大津 広敬 龍谷大学, 理工学部, 准教授 (20313934)
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キーワード | 航空宇宙工学 / 惑星探査 / 磁気圏・電離圏 / プラズマ・核融合 |
研究概要 |
太陽風プラズマ流を宇宙機のつくる人工的な磁場で太陽風プラズマ流を受け止めることで宇宙機の推進エネルギーを得る「磁気プラズマセイル推進」は、太陽系内を高速に飛翔する新しい推進システムとして注目されている。平成23年度は磁気プラズマセイル宇宙機の推力増強を目指した理論的実験的研究を実施した。電磁流体ならびにプラズマ粒子シミュレーションによって磁気プラズマセイル推力生成プロセスを最適化することで、磁気プラズマセイル宇宙機(コイル)周囲のプラズマ電流(ring-current)を増大させることに成功し、推力増大率(推力ゲイン)は約10倍(実験では2倍相当)まで向上した。ここで、推力増大率とは、宇宙機に搭載されたコイルのみを動作させた時の推力(Fc)が、宇宙機からのプラズマ注入によってFへと増大した際の倍率(F/Fc)を示し、磁気プラズマセイル宇宙機(コイル)周囲のプラズマ電流(ring-current)を増大させる新方式によって大幅な推力増強が実現した。こうして得られた推力増大率を基に磁気プラズマセイル宇宙機(MPSS)の概念設計を実施し、10mNクラスMPSS小型技術実証機の成立可能性を示した。しかし、木星フライバイミッションミッションをMPSSで実現するには、300mNクラスの大推力が必要である事から、更なる推力増大率の向上と、宇宙機搭載用超伝導コイルシステムの格段の軽量化・高性能化が求められることが明らかとなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
磁気プラズマセイルの推力増強に成功するなど、新しい成果が着実に得られているため。
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今後の研究の推進方策 |
太陽系内を高速に飛翔する磁気プラズマセイルを実現するためには、磁気プラズマセイル推力の一層の増強が求められる。今後は、数値シミュレーションツールを、磁気プラズマセイル推進の推力特性を評価可能な「磁気プラズマセイル地上実験シミュレータ」と共に運用する事で、磁気プラズマセイル推力特性の一層の最適化を図る。
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