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2011 年度 実績報告書

タンク内スロッシング荷重による流力弾性応答とその低減手法に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 21246131
研究機関独立行政法人海上技術安全研究所

研究代表者

田中 義照  独立行政法人海上技術安全研究所, 構造系, 系長 (40373419)

研究分担者 安藤 孝弘  海上技術安全研究所, 構造系, 研究員 (30425756)
穴井 陽祐  海上技術安全研究所, 構造系, 研究員 (60470051)
村上 睦尚  海上技術安全研究所, 構造系, 主任研究員 (90392688)
渡邉 尚彦  岐阜工業高等専門学校, 環境都市工学科, 助教 (50550034)
キーワード船舶工学 / スロッシング / 流力弾性応答 / 低減装置 / LNG船 / 縮尺影響 / 相似則 / 有限要素法解析
研究概要

平成23年度は、膜材を用いたスロッシング衝撃圧低減機構の実用性を高めるための実験的研究を実施した。すなわち、平成21年度に二次元矩形タンク(タンクの水平方向が船長方向)に対して開発した低減機構を八角形断面三次元タンク(八角形の幅方向が船幅方向)に適用するためには、以下の課題を克服する必要があった。
・タンク内液位45%以上の中~高液位の場合の液面の上下動(一次定常波)を膜材によって抑制する場合、膜材の支点反力が液位45%未満の低液位時の2倍以上となる。
・タンク全長に亘り、かつ中央部はV字型に膜材を設置するため、膜材が長尺となる(タンク長の1.1倍程度)。
・タンク内液位に応じて膜材中央部とタンク底面間の緊張ロープの最適長さを調整する必要がある。
そこで、平成23年度は、積載条件を支点反力の小さい低液位に絞り、メンブレン型LNG運搬船の貨物タンクへの適用を想定した新たな低減機構を開発した。本機構は、膜材面積を従来のものより抑制し、かつ液位による調整を必要としない簡便なものである。本低減機構を以下の2種類の試験に適用し、衝撃圧低減効果を確認した。
(1)二次元矩形タンク能による最適膜長および配置方法に関する検討
・膜長をタンク長の30%に設定したフロート付膜材2枚を連結し、タンク前後端及び中央のガイドワイヤを用いて、膜材の幅方向の運動のみを拘束する場合、液体の流動が膜材との摩擦や変形した膜によって減速させられるため、タンク壁面に発生する衝撃圧が低下することが確認された。
・液位20%及び30%、縦揺れ±6degの条件に対し、衝撃圧を最大で70%低減できることが確認された。
(2)八角形断面三次元タンクにおけるスロッシング衝撃圧抑制効果の検討
三次元タンクに、(1)の機構を船幅方向に拡張した物を取付け、前後揺れ試験を実施し、衝撃圧低減効果を確認した。また、膜幅の異なる2種類の膜材を用意し、膜寸法の違いによる影響についても評価した。
・低減機構のない液位20%および30%の場合、スロッシング衝撃圧はタンク高さ方向には液位と同じ高さにおいて大きく、またタンク幅方向では、タンクコーナー部において常に大きいことが確認された。
・膜幅をタンク幅の約60%に設定した場合、膜上を通過する波に対しては効果的であるものの、膜の無い箇所での消波効果は全く得られない。
・膜幅をタンク幅の95%に設定した場合、タンクコーナー付近においても衝撃圧を70%以下に低減できる。
・斜め方向の動揺では、スロッシング波が2方向から発生するが、この場合でも衝撃圧を効果的に低減できる。

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公開日: 2013-06-26  

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