研究課題
本年度は、最終年度の研究として今までの成果に基づき研究を展開させ、最終的に以下の成果を得た。まず、狭線幅波長可変レーザーを用いた超高分解能ファイバーブラッググレーティング(FBG)センサの開発を継続して実施し、世界初となる2.6×10^<-9>の静的な歪分解能を実現した。また、開発されたセンサを神奈川県油壺にある東京大学地震研究所油壷地殻変動観測坑に設置し、岩盤歪計測を開始した。その結果、海洋潮汐に起因する岩盤歪の計測に成功した。その結果、光ファイバFBG歪センサによって、基線帳長1mのスケールの岩盤歪を、世界で初めて1×10^<-8>の分解能で計測することに成功した。一方、現在の段階での計測システムからさらに高周波数のシグナルの計測を可能とするために、ファイバ干渉計(FFPI)を用いたセンサ技術を開発した。この方法では、位相変調と強度変調を組み合わせることにより、独創的な側波帯計測技術を提案した。この技術は10^<-9>を超える歪分解能と数Hzまでの計測を可能とするという特徴を持っている。この成果に基づくセンサによる実地実験は、現在も東京大学地震研究所油壷地殻変動観測坑にて進行中である。モデリングの観点からは、空洞を含む岩盤内における地下水の挙動と変形を適切にモデル化するための構成関係式の導出と、それに基づくシミュレータの開発を行った。特に、岩盤内が完全に水で飽和されていない状況での水・空気の流動と変形との連成過程を取り扱うことを可能とするモデルの構築に成功した。以上、本研究は、当初の目的をほぼ達成したものと判断している。
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