研究課題/領域番号 |
21246135
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
平島 剛 九州大学, 工学研究院, 教授 (00175556)
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研究分担者 |
笹木 圭子 九州大学, 工学研究院, 教授 (30311525)
野中 壯泰 九州大学, 工学研究院, 助教 (60271102)
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キーワード | バイオマス / 低石炭化度炭 / バイオコール / セノスフェア / 改質液 |
研究概要 |
本研究では、水熱炭化法を用いたバイオマス(オイルパームのShell、Frond、Trunkや杉、アカシアマンギウム、竹)および低石炭化度炭(泥炭、褐炭、亜瀝青炭)からの固体燃料製造法、アルカリ水熱反応による水素ガス製造法、改質液および燃焼灰の有効利用法などについて検討した。改質実験は、内容積500mLのオートクレープを用いて、反応温度200-380℃、反応時間30minの条件にておこなった。その結果、原料基準で約35-60wt%の収率で、固体燃料として好ましい特徴を有する産物が得られた。すなわち、産物の発熱量は23.3~33.0MJ/Kgへ増加し、平衡含水率は6.7から3.1wt%の範囲内であった。さらに、炭素含有割合は57.1から80.9wt%に増加し、酸素含有割合は36.8から13.5wt%に減少した。処理過程にともなう改質機構は、疎水化測定試験、FT-IRおよび13C-NMR分析などから考察された。また、石炭化度の大きく異なる泥炭、褐炭、亜瀝青炭を用いた場合には、石炭化度の高いものほど改質後の収率は高くなること、産物の性状は、改質温度が同じであれば、単独試料および混合試料ともに上記の結果とほぼ同様な改質結果となることを明らかにした。さらに、ベンチスケールの連続改質により得られる産物性状は、上記回分試験結果から予測できること、改質液は黄鉄鉱の溶解を抑制するのに利用でき酸性鉱山廃水抑制が可能であることを明らかにした。また、石炭などを燃焼させた際に発生する灰から効率的に中空球形粒子(セノスフェア)を回収する新しいモニタリング法について検討を行い良好の結果を得た。さらに、バイオマスを原料とし、多段改質によりヘミセルロースから種々の生理活性を有するオリゴ糖の回収、易酵素糖化性のセルロース製造および高カロリー固体燃料製造が可能であることを示した。
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