研究課題/領域番号 |
21246137
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
江尻 晶 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 准教授 (30249966)
|
研究分担者 |
永島 芳彦 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 助教 (90390632)
|
キーワード | プラズマ・核融合 / 球状トカマク / 平衡 / 非誘導電流駆動 / トムソン散乱 |
研究概要 |
種々の加熱手段、運転条件を用いて非誘導維持プラスマの特性を調べた。電子サイクロトロン共鳴波動加熱(2.45GHz)では、充填ガス圧、波動加熱パワー、共鳴位置に依存して平衡が異なることが磁気計測を用いた平衡解析で明らかになった。低充填ガス圧では、中心でピークした電流分布を持つのに対して、高充填ガス圧では、トーラス外側に電流分布はピークを持つ。共鳴位置がトーラス外側にある場合、トーラス内側にある場合は、それぞれ高充填ガス圧、低充填ガス圧と同様の傾向が見られる。一方、波動加熱パワーはプラズマの縦方向(トーラス軸方向)の広がりに影響し、高加熱パワーではトーラスは扁平になる。低域混成波帯(200MHz)の波動を用いてプラズマを維持することに成功した。2種類のアンテナを用いて比較を行った。シングルストラップのアンテナでは、トーラス外側に電流分布がピークを持ち、コムラインアンテナでは、中心でピークした電流分布が得られた。種々の加熱手段、運転条件で維持されたプラズマ電流の値は、おおよそ外部垂直磁場の値に比例し、平衡条件がプラズマの状態を強く制限していることが分かった。 上記の結論は平衡解析の精度に強く依存する。その精度を向上させ、圧力駆動電流を実証するためには、内部の圧力測定が必要である。一方、上記の非誘導維持プラズマは密度が低く、通常、圧力測定にもちいられるトムソン散乱では、信号強度が小さく測定が困難である。そこで、低密度プラズマの測定を可能とするマルチパストムソン散乱システムの開発を行った。開発の最初のステップとしてダブルパス光学系を設置し、密度の高いオーミックプラズマを対象に試験した。その結果、予想通りの信号が得られること、ダブルパスの往路、復路の測定結果を比較することでより信頼度の高い温度測定が可能なことが示された。
|