研究課題/領域番号 |
21246140
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研究機関 | 核融合科学研究所 |
研究代表者 |
長山 好夫 核融合科学研究所, ヘリカル研究部, 教授 (10126138)
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研究分担者 |
山口 聡一朗 関西大学, システム理工学部, 助教 (30413991)
間瀬 淳 九州大学, 産学連携センター, 特命教授 (00023325)
近木 祐一郎 福岡工業大学, 工学部, 准教授 (10398109)
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キーワード | マイクロ波 / イメージング / 反射計 / 電子密度揺動 / LHD / プラズマ計測 / 乱流 / 可視化 |
研究概要 |
核融合プラズマの閉じ込めの物理は、乱流が主役を演じているとされているため、乱流観測は大変重要である。乱流は静電不安定性が生成すると言われているが、静電揺動は電子密度揺動を引き起こす。そこで本研究は、プラズマによる電磁波のカットオフ(反射)現象を利用して、電子密度揺動を可視化するMIRを開発し、それによってプラズマ乱流観測をしようとするものである。前年度までに、重要なコンポーネント(マイクロ波カメラ、光学系、送信機、受信機)のほとんどを開発し、LHDプラズマに取り付けて実験を開始した.最初に磁気計測でも確認される電磁流体力学的(MHD)不安定性を観測対象とした。LHDのプラズマエッジではEdge Harmonic Oscillation(EHO)と呼ばれるMHDモードが発生する。本年度はMIRを用いてEHOの局所的な構造の可視化に成功した。これによりEHOは磁力線に沿った細長い構造であることが明らかになった。電気雑音の6倍以上の振幅がある乱流によると思われる揺動信一号も観測されているが、乱流研究のためには感度向上と3次完スペクトル解析が必要であるが、その開発は今後の課題である。従来、ビームスプリッタとしてアクリル板を用いていたが観測に利用しているXモードの反射率が悪いという欠点があった。ビームスプリッタの改良により感度向上の可能性がる。今年度穴あき金属型ビームスプリッタの開発を開始した。丸孔から始め、細長い孔を試したが周期構造が作る干渉効果で周波数特性が乱れる。ワイヤグリッドは確かにフラットな周波数特性を持つことがわかった。しかし、ビームスプリッタが大きいため振動する。振動しないワイヤグリッド型ビームスプリッタの開発が今後の課題である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
当初の目的は乱流観測可能な3次元MIRの開発であった。既に、電気雑音の6倍以上の振幅がある乱流によると思われる揺動信号が得られているため、ハードウェアとしては目的を達成している。
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今後の研究の推進方策 |
今後、当初の目的を大きく越えるが、世界初の乱流の可視化を目指す。そのためには、(1)さらなる感度向上のためのワイヤグリッド型ビームスプリッタの開発、(2)乱流特性を明らかにする3次元スペクトル解析の開発、(3)勧測位置同定の精密化、(4)乱流観測を行う。
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