研究課題/領域番号 |
21246143
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
榎田 洋一 名古屋大学, 工学研究科, 教授 (40168795)
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研究分担者 |
澤田 佳代 名古屋大学, エコトピア科学研究所, 准教授 (90372531)
杉山 貴彦 名古屋大学, 工学研究科, 准教授 (90353440)
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キーワード | ウラン触媒 / ウラン廃棄物 / アンチモン / 塩化揮発 / 超臨界流体抽出 |
研究概要 |
平成23年度は当該研究の第三年度であり、平成21年度に入手した実ウラン触媒およびその特性評価に基づいて作製方法を完成させた模擬触媒に担持されたUをSbに対して選択的かつ定量的に回収した後の処理済み触媒についてこれを安全に処分するために適する廃棄体化する技術を確立するための研究を行った。具体的には、ウラン触媒の廃棄体としてのガラス固化体製造方法とその性能評価を行った。 (1)廃棄体作製の研究 廃棄体としてのガラス固化体製造方法としては、均質固化と非均質固化に対するものを検討した。前者については、処理済み触媒がシリカ担体であることを考慮して、ガラスフリットとして加えるべき成分であるホウ酸と炭酸ナトリウムの量をホウケイ酸ガラスの3元系組成図と浸出率等の過去の知見から明らかにし、実験研究によって、ガラス作製温度も決定することでガラス固化体製造方法(手順)を明確化した。後者については、より経済的な低温度での廃棄体作製を目指すものであり、廃棄体の作製は、既設設備であるガラス溶融炉(電気炉)を利用して実施した。成果として,いずれの方法でもガラス固化体を得ることができた. (2)廃棄体性能の研究 重要な評価データであるSbの浸出性については、産業廃棄物処分としての観点からの実験検討が重要であるので、この分野での研究業績が豊富な研究分担者の澤田佳代が研究代表者と共同して実施した。浸出試験液の分析のために既設設備である質量分析計に適合するオートサンプラーを購入して使用し,進出率の実測値を得た。また、非均質固化によって得られる廃棄体については、均質化理論を適用した評価が重要であることが事前検討で判明したため、この理論およびシミュレーション分野で十分な研究実績を有する杉山貴彦准教授が新たに研究組織に加わって研究分担者として研究を実施した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究開始年度である平成21年度より,所定の研究計画に従って研究管理を行うことで順調な研究進捗にあったことに加え,平成23年度に研究分担者の追加を行い,計算解析についても実験研究と並行して検討を行った結果,予定していたすべての研究項目についての研究をほぼ完了できている状況であり,最終年度である平成24年度に於いて,研究成果を総括した学術論文の作成と公刊及び工業所有権の出願並びに権威ある専門学会における国際会議発表による情報発信を残すのみとなっているため,概ね順調に進展していると自己評価できるため.
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今後の研究の推進方策 |
所期の研究計画に従って,最終年度である平成24年度は,3年間にわたって蓄積してきた基礎研究結果をとりまとめた研究論文を作成し,学術雑誌に発刊することに加え,米国アリゾナ州で2月末に開催される廃棄物管理シンポジアにて情報発信する.さらに,研究成果に基づき産業財産権の出願を行う.
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