研究分担者 |
三村 均 東北大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (10091753)
佐々木 祐二 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 原子力基礎工学研究センター, 研究主幹 (20354839)
池田 泰久 東京工業大学, 原子炉工学研究所, 教授 (40323836)
大橋 朗 茨城大学, 理学部, 准教授 (50344833)
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研究概要 |
MIDOA/ドデカン抽出溶媒を用い、硝酸溶液系に加えて塩酸系でも抽出性能マッピング作成を進めた結果、Os、Ir、Pd、Pt、Au、Hgに対して比較的高い分配比を示した。この中でIrを除くすべての金属で、分配比100を超えることが確認され、単段抽出で99%の金属の回収が、多段抽出等の手法を用いることで大容量の試料溶液の処理を可能とする分離法が可能となった。また所謂ソフト金属についての抽出に有効であることから、本抽出剤はソフトドナーである窒素原子が抽出反応に大きく関わっていることも明らかとなった。MIDAAを配位子とする Re(VII)錯体の合成を試み、その結晶が得られることを確認した。TcおよびReに選択性の高い有機抽出剤MIDOAを内包したマイクロカプセル(MC)の化学的、熱的安定性および耐放射線性及び吸着特性の変化を調べた。MCは7M HNO3共存まで安定で、180℃まで構造を維持する。1.5×107 Rまでの60Co照射でも構造変化は認められず、吸着特性は保持される。カラム特性は、3回の吸着・溶離を繰り返しても変化しない。これらの結果から、MIDOAは高レベル廃液での核種分離に有効であることが確認された。2,2’-(imino)bis(N,N’-diethyl- acetamide) (IDEA)によるRe(VII) (ReO4-)の抽出分離における他の核種の影響を調べる一環として、ランタノイド(III)を含む系での錯形成について、錯体の合成と結晶構造を調べた。その結果、La(III),Sm(III),Eu(III)の錯体を合成することができ、その組成が[Eu(IDEA)3][Eu(NO3)4(ReO4)2]0.38[Eu(NO3)5(ReO4)]0.62,[Sm(IDEA)3][Sm(NO3)4(ReO4)2]0.23[Sm(NO3)5(ReO4)]0.77と決定できた。また、[M(IDEA)3]3+(M = Sm,Eu)において、IDEAは3座配位子としてM(III)に配位したtricapped-trigonal prismatic構造を有していることがわかった。
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