研究課題
本研究は、生物多様性と生態系サービスの維持のための鍵となりうる生物分類群、アリ、シロアリ、サンゴ、クローナル植物における群集生態学と社会生物学を生活史戦略理論の観点から統合再構築することを目的とする。昨年度にアリなどのコロニーの分割比と拡散距離のトレードオフに関するコロニーベースモデルの一般バージョンを構築したが、これを発展させコロニー間で直接的な競争のある場合のモデルを解析中である。経験研究では、まず沖縄島、慶良間諸島および西表島において、サンゴの個体群動態を野外調査により解析し、繁殖様式と個体群動態のパターンに、関連があることが示唆された。また、琉球諸島の各島レベルの生物多様性情報をデータベース化し、人為インパクトに対する生物多様性の応答を検証するための基礎データを整備した。そのデータベースを用いた基礎生態学的な論文と、そのデータを元にしたシミュレーションモデル分析の論文を発表した。前者の論文では、琉球諸島のフロラ形成の歴史過程を植物種間の系統関係に基づいて検証し、従来の生物地理区分の見直しを提案した。後者の論文では、島嶼亜熱帯林で行われている下層除伐による森林施業が、樹木種多様性に及ぼす効果をモデルを用いて定量し、亜熱帯林の持続的な森林管理の在り方について提言を行った。攪乱の影響を受けたクローナル植物の成長が、個体群あるいは群集の構造によってどのように変化するかを定量的に評価するため、栽培実験を行った。イタドリでは、人工個体群が遺伝的に同一な個体により構成されるか、複数の遺伝的個体によって構成されるかで、回復は異なり、複数の遺伝的個体によって構成される個体群で、収量がより大きかった。また、根への攪乱の程度が高まると、ウキクサの群集では、均等度が高まった。昆虫の食害による根の攪乱では、群集の種構成やサイズ構造によって、植物の反応が異なった。
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