研究課題
チョウ類色覚系の進化学的解析:ウスバシロチョウと個眼構造とオプシン分布を精査した結果、個眼の重層構造(遠位層と近位層に分かれた構造)が他のアゲハチョウ科やシロチョウ科のチョウ類とは異なっていることが分った。すなわち、重層構造自体は存在するが、他種では遠位層に動きや形の知覚に特化していると見られる緑受容細胞システムがあるのに対し、ウスバシロチョウではこのシステムが無い。対応する視細胞には緑感受性と赤感受性のものがまざっており、しかも遠位層ではなくて近位層にある。他種では近位層は色覚に特化していると見られることから、ウスバシロチョウは動きや形の知覚よりも色覚により重きをおいた視覚系を持っていることが推察された。個眼の重層構造をショウジョウバエ、ミツバチなどとも比較検討し、その進化過程を推測した。視葉ニューロン群の解剖学的解析:視覚第一次中枢(視葉板)を中心に、神経伝達物質の同定を目指して免疫組織学的研究を継続して行った。昨年は、視覚2次ニューロンの大単極細胞(Large Monopolar Cell, LMC)にチラミン陽性のものが見つかり、今年は更にGABA陽性のLMCが見つかった。染色されたLMCの分布と数から推測すると、視葉板の各カートリッジにはチラミン陽性とGABA陽性のLMCがそれぞれ1つずつ含まれているらしい。LMCの生理的機能を解明する上で、重要な発見である。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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