研究分担者 |
石田 健一郎 筑波大学, 生命環境系, 教授 (30282198)
稲垣 祐司 筑波大学, 生命環境系, 准教授 (50387958)
中山 剛 筑波大学, 生命環境系, 講師 (40302369)
菊地 淳 理化学研究所, 植物科学研究センター, チームリーダー (00321753)
守屋 繁春 理化学研究所, 基幹研究所, 専任研究員 (00321828)
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研究概要 |
本研究は、藻類と従属栄養性真核生物(プロティスト)で構成される未知の微生物複合系をトップダウン的にカバーする多様性解析によって、真核微生物の新たな研究基盤を構築することを目指している。環境的に特徴ある調査地点を選定し、1藻類とプロティストの網羅的なフェノタイピング、2.難培養性プロティストの多様性解明、3.プロティスト複合系における遺伝子発現と生物間物質フラックスの解析に基づく複合系の生態構造の解析、4.真核生物の大規模系統解析を実施し、真核微生物(藻類・プロティスト複合系)の多様性研究基盤を構築することを目的とする。 本年度は富栄養化が著しい海水・淡水2地点で、プランクトニックな藻類・プロティストを中心とした調査を行った。採集地ごとに月1回の採水を行い,顕微鏡観察による生物同定,生物量の定量、核磁気共鳴法(NMR)を用いた環境中物質量を計測する手法の確立を試みた。生物量は,固定サンプルによる細胞計数で行ったが,固定による変形や破裂,あるいは,微小すぎて同定が困難な生物もいることから,生細胞の光学顕微鏡観察や走査型電子顕微鏡を用いた形態観察も行い,生物相の把握も行った。またTAクローニング法による環境配列取得を試みた。環境中の有機成分の季節変動把握には、^1H-NMR分析を行った。得られた生物量とNMR分析結果を相関解析し、生物の増減に関与する可能性のある複数の化学シフトを確認した。全体的な傾向として,光合成生物と非光合成生物では環境中物質に対する相関傾向が異なるが、さらに生物種ごとに相関物質に違いがあることも確認された。
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