研究課題/領域番号 |
21247018
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
木下 タロウ 大阪大学, 微生物病研究所, 教授 (10153165)
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研究分担者 |
前田 裕輔 大阪大学, 微生物病研究所, 准教授 (00294124)
村上 良子 大阪大学, 微生物病研究所, 准教授 (00304048)
森田 康裕 大阪大学, 微生物病研究所, 助教 (70397769)
藤田 盛久 大阪大学, 微生物病研究所, 特任助教 (30532056)
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キーワード | GPIアンカー / 遺伝子 / 酵素 / タンパク質 / 糖鎖 |
研究概要 |
哺乳動物細胞のGPIアンカーは、多くが1アルキル2アシル型のPIを持っていることが特徴である。アルキルアシル型GPIが、生合成の第3中間体であるGlcN-(acyl)PIの段階で主成分になることがわかっているので、今回、アルキルリン脂質生合成経路として唯一知ちれているペルオキシソームの経路に依存してアルキルアシル型GPIができるかを調べた。ペルオキシソーム経路の欠損CHO変異株2株を用い、それらではアルカリ抵抗性のGPI中間体、すなわちアルキルを含む中間体が出来ていないことを確認した。さらに、ペルオキシソーム経路の欠損CHO変異株かち精製したGPIアンカー型タンパク質のアンカー部分を質量分析で横造決定し、ジアシル型GPIしか含まれていないことを見出した。すなわち、アルキルアシル型GPIアソカーの生合成にペルオキシソーム経路が必要であることがわかった。以前、GlcN-(acyl)PIに一部見られるジアシル型分子の脂肪鎖組成を1ステップ前のGlcN-PIの脂肪鎖組成と詳細に比較すると、ジアシル型同士でも鎖組成が異なることに気づいた。この点を確定するため、ペルナキシソーム経路の欠損CHO変異株から、次のステップに関ねるDPM1遺伝子との2重変異株を確立し、GlcN-(acyl)PIを蓄積させ、ジアシル型同士での脂肪酸鎖比較を行った。その結果、GlcN-(acyl)PIでは、ジアシル型からアルキルアシル型に変換するのではなく、脂質部分が必ず置き換わる反応が起こっており、供与体集団にアルキルアシル型か豊富なためにアルキルアシル型への変換反応に見えいることがわかった。すなわち、この反応が生合成経路の新規ステップであることが示された。
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