研究課題/領域番号 |
21247018
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
木下 タロウ 大阪大学, 微生物病研究所, 教授 (10153165)
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研究分担者 |
前田 裕輔 大阪大学, 微生物病研究所, 准教授 (00294124)
村上 良子 大阪大学, 微生物病研究所, 准教授 (00304048)
森田 康裕 大阪大学, 微生物病研究所, 助教 (70397769)
藤田 盛久 大阪大学, 微生物病研究所, 助教 (30532056)
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キーワード | GPIアンカー / 遺伝子 / 酵素 / タンパク質 / 糖鎖 |
研究概要 |
1)GPIアンカーの脂肪酸リモデリングのメカニズムと生物学的意義の解明に関し、脂肪酸リモデリングの第1段階に働くPGAP3遺伝子のfloxマウスを作製し、CAG-Creマウスと交配し、全身でPGAP3をノックアウトしたマウスを得た。雄のホモ個体が生まれる頻度は有意に低く、胎生期または生後直後の致死性が考えられた。ホモマウスは雌雄とも体重が有意に軽く、また、神経反射の異常が認められた。免疫反応に焦点を絞り、GPIアンカー脂肪酸リモデリングの意義を検討するため、Tリンパ球を得て解析したところ、ノックアウト細胞ではGPIアンカー型タンパク質が脂質ラフトに局在していないことが確認できた。機能解析の結果、野生型ではGPIアンカー型タンパク質であるThy1を介したシグナルは、T細胞受容体を介する増殖シグナルをやや抑制するのに、ノックアウト個体では強く増加させたことから、脂肪酸リモデリングを受けないThy1はT細胞を活性化しやすくすることが示された。 2)アルキルアシル型GPIアンカーの生合成機序とその意義の解明に関し、肢根性点状軟骨異型性症とゼルベーガー症候群の患者由来細胞でアルキルアシル型GPIアンカーの生合成が欠損していることがわかった。これら難治性疾患の諸症状の一部がアルキルアシル型GPIアンカーの生合成異常に基づく可能性が示された。 3)GPI-アンカー型タンパク質の構造変化と輸送に関わる遺伝子群の解明に関し、新たに数株の輸送遅延変異株を確立できた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
タンパク質GPIアンカーの構造変化の分子機構と機能との相関を明らかにするために設定している3つの研究項目のそれぞれが、概ね当初の予定に沿って進行している。
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今後の研究の推進方策 |
PGAP3をノックアウトしたマウスの解析をさらに進め、GPIアンカーの脂肪酸リモデリングの免疫系における働きを明らかにする。また、GPIアンカーのアルキルアシル型への脂質リモデリングを行う酵素の遺伝子をクローニングし、ノックアウトマウスを作製し、解析することにより、アルキルアシル型GPIアンカーの生理的意義を解明する。さらに、PI-アンカー型タンパク質の輸送遅延変異株の責任遺伝子をクローニングし、GPI-アンカー型タンパク質の構造変化と輸送に関わる遺伝子群を明らかにする。
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