研究課題
本申請研究では、以下の3つの問題について明らかにしようとしている。1、初期過程の再構成系の構築と反応機構解析(MRN-Nip1/Ctp1複合体の機能解析を中心に)2、初期-中期過程の再構成系を用いた反応機構解析(リコンビナーゼの反応機構を中心に)3、中期-後期過程の再構成系の構築と反応機構解析(Fbh1ヘリケースの機能とその制御機構を中心に)当該年度は、特に、1について、特段の成果を得た。すなわち、MRN複合体を形成するNbs1のX線立体構造を、P RussellとJA Tainerの2つのグループと共同で決定し、FHAドメインとそれに続く2つのBRCTドメインから成ることを示した。さらに、Nip1(別名Ctp1)がリン酸化することによって、Nbs1のFHAドメインと結合することを見いだし、その結合様式も構造生物学的に明らかにした。また、このリン酸化による相互作用が、実際にin vivoで重要な働きをしていることも示した。2については、減数分裂特異的Dmc1リコンビナーゼの反応機構を解析し、Rad22による阻害を発見した。3については、Fbh1ヘリケースが3'invaded D-loopより5'-invaded D-loopに対して、崩壊活性が強いことを発見した。このことから、Fbh1ヘリケースが鎖交換反応の初期反応の制御に関与することが予想された。
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Cell 139
ページ: 87-99
http://www.iwasakilab.bio.titech.ac.jp/