研究分担者 |
藤井 義晴 東京農工大学, (連合)農学研究科(研究院), 教授 (10354101)
中島 敏明 筑波大学, 生命環境系, 准教授 (80241777)
菊池 彰 筑波大学, 生命環境系, 講師 (00400648)
小野 道之 筑波大学, 生命環境系, 准教授 (50201405)
小口 太一 筑波大学, 生命環境系, 助教 (60527050)
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研究概要 |
本課題を推進するにあたり,遺伝子組換え体安全性研究の科学技術や管理,海外植栽の手続き及び生命倫理の観点において俯瞰し助言する推進委員会を年1回行う.H23年度は,H22年度と同様,年度末に推進委員会に当年度まとめと翌年度の実施計画の検討を行った. 1.耐塩性ユーカリ(E.camaldulensis)について,新規に作成された系統を評価推進した.再度第1種使用規程承認を申請しほ場評価を行う準備をした.ジャガイモについても同様に、第1種使用申請の基盤を2ケース(耐塩性及び高温ストレス耐性)について準備した. 2.耐塩性ユーカリ(E.globulus,codA)について隔離ほ場での形質評価を継続し,樹木サンプルを行い終了した. 3.低温耐性誘導遺伝子(des9)を導入したユーカリについて,第一種使用を実施開始した. 4.カルタヘナバイオセーフティー議定書の第3回リスク評価専門家会議(6月メキシコ)に参加し,リスク評価世界共通基盤の策定推進と実施に貢献した.生物多様性条約の作業部会(6月モントリオール)にも続けて参加し,当該分野の実用化へ大枠のスキームを体系化検討する意見収集を行った. 5.アフリカ開発銀行(AfDB)の支援でケニア,ルワンダ,ガーナ,ボツワナにおいて遺伝子組換え樹木利用の調査研究を推進し,カルタヘナ議定書第8条に基づく事例の構築の基盤検討と遺伝子組換え体のリスク評価,管理及びコミュニケーションの体系化の試用検討を行い,ボツワナにおいて今後の制度適用の助言を行った. 6.前述4と前後して他資金等も利用し海外の教育・研究機関(マレーシア,タイ,インドネシア,パキスタン,メキシコ,フィンランド)を訪問し,リスク評価・管理等の教育の交流促進を推進した. 7.海外研究機関等から研究者(パキスタン、タイ、米国)を別資金で招聘し,リスク管理・リスクコミュニケーションについての情報整理と意見交換を推進し,大学等教育研究機関での指標・標準化を検討した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
H22年度末(H23年3月)の東日本大震災で,第一種使用の申請手続きが文部科学省側の体制都合でおくれたが,第一種使用規程承認申請について承認を受け第一種使用(codA,E.globulus)が新規に開始された.また,これまで行ってきた第一種使用(codA,E.globulus)については一件終了した.このように第一種使用規程承認申請と遺伝子組換え体植物を恒常的に隔離ほ場で栽培できている大学機関は,当該研究グループのみであり,本件については目的である第一種使用の先端的な事例構築のリーダーシップとなっている.
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