(1)ゲノム情報を基盤としたTK-6株の進化系統的位置づけの明確化 ○TK-6株のゲノムを中心にAquificales間、さらに他の細菌菌株も含めた詳細なゲノム解析を行った。 ○アノテーションされた遺伝子の内、炭素代謝や窒素代謝など中心的代謝に関わるものを選択し、他の細菌菌株も含め、個々に系統樹を作成した。さらに、作成した系統樹内のTK-6株のトポロジーを統合的に解析し、各種のパターンに分類した。 (2)絶対独立栄養性の分子基盤 ○マイクロアレイシステムを立ち上げた。 ○ミニジャーファーメンターを用い、二酸化炭素ガス濃度を種々変化させてTK-6株を培養した。経時的にサンプルを調製し、マイクロアレイ解析を行った。。 (3)新規窒素代謝経路の分子基盤 TK-6株のゲノム中にはニトロゲナーゼ遺伝子群が検出されている。果たして、TK-6株で窒素固定系が機能しているのか否かを知るために、転写解析実験を行った。 (4)呼吸代謝能多様性の分子基盤 TK-6株の培養には通常水素ガスをエネルギー源として用いている。また、TK-6株のゲノム中にはヒドロゲナーゼ遺伝子が複数見出されている。そこで、本菌のヒドロゲナーゼついて、その発現性を詳細に知るために、水素ガス濃度を変化させて培養を行い、かつ経時的にサンプルを調製すた。得られたサンプルに対し、ヒドロゲナーゼの転写解析を行い、時期特異的に発現している分子種あるいは水素ガス濃度依存的に発現している分子種を特定しつつある。
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