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2010 年度 実績報告書

脂溶性リガンド感知機構に関する基盤的研究

研究課題

研究課題/領域番号 21248016
研究機関名古屋大学

研究代表者

内田 浩二  名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 教授 (40203533)

キーワード脂溶性リガンド / プロテオミクス / センサー分子 / 分子プローブ / 受容体
研究概要

生物は様々な脂溶性化合物に曝されており、これらの化合物は健康や寿命に大きく影響しているものと考えられる。こうした化合物には、環境中の様々な有機化合物だけでなく、ポリフェノールやイソチオシアネート化合物などの機能性食品成分、酸化ストレスにおいて生成される酸化脂肪酸なども含まれる。こうした脂溶性化合物は細胞膜あるいは細胞内受容体に作用し、受容体刺激による適応応答の誘導に関与することが明らかとなってきている。例えば、PPARgの天然リガンドとして様々なアラキドン酸代謝産物が同定されているが、これらのリガンドは脂肪細胞分化やマクロファージ泡沫化抑制などの活性を示す。しかし、食品素材に含まれる脂溶性化合物の多くはその活性発現機構などについて、ほとんどが未解明のままである。そこで本研究では、食品成分としてイソチオシアネート-グルタチオン抱合体を用い、センサータンパク質への直接的相互作用を介したシグナリング機構の解析を行った。腸管上皮細胞Caco-2を用い、イソチオシアネート-グルタチオン抱合体によるプロテオーム解析法によるイソチオシアネート感受性タンパク質の網羅的検出・同定を行ったが、プロテオミクスにはレドックス感受性のケミカルプローブを用いたクリックケミストリーを導入した。その結果、熱ショックタンパク質90b(Hsp90b)を主なセンサータンパク質として同定することに成功した。また、その下流のシグナル伝達機構の解析を行い、Hsp90bを介した熱ショック応答の詳細を明らかにすることができた。これらの研究成果により、イソチオシアネート-グルタチオン抱合体がタンパク質のチオール基とのトランスアルキル化を介して、イソチオシアネート修飾を受けることを初めて見いだした。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2011

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Transthiocarbamoylation of proteins by thiolated isothiocyanates2011

    • 著者名/発表者名
      Shibata, T., et al
    • 雑誌名

      J.Biol.Chem.

      巻: 286 ページ: 42150-42161

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Isothiocyanates reduce mercury accumulation via an Nrf2-dependent mechanism during exposure of mice to methylmercury2011

    • 著者名/発表者名
      Toyama, T., et al
    • 雑誌名

      Environ.Health Perspect.

      巻: 119 ページ: 1117-1122

    • 査読あり
  • [学会発表] 植物イソチオシアネートの多彩な機能2011

    • 著者名/発表者名
      内田浩二
    • 学会等名
      日本農芸化学会西日本支部・中四国支部合同大会シンポジウム
    • 発表場所
      宮崎観光ホテル(宮崎県)(招待講演)
    • 年月日
      2011-09-16

URL: 

公開日: 2013-06-26  

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